Symphony of Enchanted Lands

今日はRhapsody(ラプソディ)の1998年に発売されました2ndアルバムSymphony of Enchanted Lands(シンフォニー・オブ・エンチャンテッド・ランズ)をレビュー&紹介をしていきます。
※現在は名前を変えRhapsody of Fire(ラプソディ・オブ・ファイア)となっております。

Rhapsody(ラプソディ)はイタリアのパワーメタル/シンフォニックメタルバンド、それまで強くは注目されていなかったイタリアから突如現れその完成度の高さから当時大きな衝撃を与えたバンドです。

日本であれヨーロッパであれファンタジー世界観をテーマとするバンドやシンフォニックな要素を入れた後続のバンドで彼らの影響を受けたバンドはとても多いと思います。

今回レビューするのはそんなRhapsodyの2ndアルバムSymphony of Enchanted Landsです。

・壮大なシンフォニックアレンジ
その音楽性は形式としてはメロディーを重視したパワーメタルを基礎としていますが、ストリングにブラスにクワイアを多用し、更にはフルートなどの木管楽器などを使い“壮大なオーケストレーション”でシンフォニックな厚みを出しています。

・映画音楽やフォークロア的要素を含んだ完成度の高さ
しかし、ただそれらの楽器を使用してオケで盛り上げるだけでなく、
節々で感じられるフレーズの完成度が高く、メンバーは映画音楽やバロック時代のクラッシック音楽を深く研究していると感じられます。

クラシックだけでなくヨーロッパのフォークロア的な多く要素も多く含んでおりそれまでのバンド及びその後の後続のバンドの大半と比べても完成度は群を抜いて高く感じます。

・叙事詩的ファンタジックな世界観
各曲のテーマとしては指輪物語の様なファンタジー世界の物ですがドイツのブラインドガーディアンの様に有名なファンタジー小説などをテーマとして使うのではなく、

ギタリストであるルカ・トゥリッリが創作した”エメラルド・ソード・サーガ”と言う物語の内容に沿って楽曲を作製しており、
このアルバムはエメラルド・ソード・サーガシリーズの第二弾です(1st~5thアルバムまでがエメラルド・ソード・サーガシリーズ)

・ボーカル ファビオ・リオーネ
曲の完成度も高いのですがこのバンドにおいて他よりも優れている1つの点としてボーカルであるファビオ・リオーネの存在は大きいと思います。

パワーメタルなどでハイトーンを多用するボーカルは線が細くなる人が多いと感じますがこの人はハイトーンにおいても力強く伸びがあり、またバラードなどを歌った時の感情表現力も素晴らしいです。

・クラシック音楽の楽器とギター・キーボードの親和
このバンドの間奏では多く見られる弦楽合奏等のクラシック系楽器によるパートからのエレキギターとキーボードのクラシカルな間奏が素晴らしいです。切り替わりのつなぎ目が絶妙で混ざり合っています。

 

それでは各曲の印象や感想等を書いていきます。

1 Epicus Furor
アルバム1曲目のオケを用いた壮大なインスト、次曲Emerald Swordにつながる

2 Emerald Sword
初期のRhapsodyを代表する名曲で最も知られている曲。
疾走感がありメタル色が強いスポードナンバー、サビでの壮大なクワイアが印象的だがAメロもBメロも良くメロディの流れが素晴らしい。
間奏での勇壮なブラスからのクラシカルなギターソロそこからの弦楽のブリッジは見事。

3 Wisdom of the King
民謡的な静かな始まりからブラスとコーラスの勇壮なフレーズが入り雰囲気が変わる曲、
前曲Emerald Swordに隠れてしまいがちですがこの曲も素晴らしい。
躍動感あるメロなども印象的だがブリッジでのチェンバロと弦楽合奏のパートや民謡的フレーズとクラシカルなフレーズの混ざった間奏は素晴らしい。

4 Heroes of the Lost Valley
川の流れの音などの自然の音から始まりチェンバロ(ハープシコード)にフルートにオーボエ?を使用したインスト。
民謡的なフレーズとバロック時代のクラシックの要素が混ざり合っています

5 Eternal Glory
ブラスを基調とした勇ましい行進曲的なイントロから始まる曲、
そのイントロはストリングスに木管楽器も聴こえ壮大で大軍の行進を思わせます。
全体的に緩急があり静と動を巧みに演出しています。
歌メロのバックで流れるストリングスのオブリガードがとても良い。
パイプオルガンのソロからギターのフォークロアとクラシカルなフレーズが混じったソロがまた良い。

6 Beyond the Gate of Infinity
不気味な動物の叫び声の様なパートから始まる曲、その後のキーボード音色とギターのペダルノートを使ったイントロはどこかRPGゲームのBGMの様。
曲全体としてはオペラチックでもあり展開の多い曲でプログレ的

7 Wings of Destiny
ピアノやストリングスをアレンジの基調とする物悲しさを感じるバラード曲、
ボーカル ファビオ・リオーネの感情を強く出したボーカルは印象的。

8 The Dark Tower of Abyss
イントロや間奏の部分は弦楽合奏を主軸とし、チェンバロ(チェンバロ)に木管楽器とフレーズ的にも完全にバロック時代のクラシック的な曲。
造詣の深い方なら他にも色々と思いつくと思われるがバッハやヴィヴァルディなどを思い起こさせる。
歌メロの部分も良いが上で述べた部分のインパクトが強い。

9 Riding the Winds of Eternity
風の音から入りオーケストラが流れるイントロのスピードナンバー。
歌メロからは哀愁も感じられるがアレンジも相まって全般的にどこか爽快で空を駆けるかの様な感覚を与える曲。

10 Symphony of Enchanted Land
全4パートに分けられ物語を語る13分の壮大な曲。
映画の一場面の語り的なパートから始まりオペラ調のパート、
少々フォーク色が強いクラシカル要素のあるラプソディ的な音楽パートと展開される。
中盤では静かになり女性のボーカルのパート入ってきたりとその展開は壮大でまるで映画を1本見たかの様な感覚になる曲。

 

このバンドの初期作品の紹介を書くと決めた後にこの2ndアルバムSymphony of Enchanted Lands以外にも1stアルバムLegendary Tales、3rdアルバムDawn Of Victory、5thアルバムPower of the Dragonflameと候補に上がりましたが、
どれも完成度が高く決めるのに中々迷いました。

ファンタジーやシンフォニックなヘビーメタルにおいては”名盤”とされるアルバムですので興味がある方は是非聞いてみることをおすすめします。

アルバム Symphony of Enchanted Lands 曲目
1 Epicus Furor
2 Emerald Sword
3 Wisdom of the King
4 Heroes of the Lost Valley
5 Eternal Glory
6 Beyond the Gate of Infinity
7 Wings of Destiny
8 The Dark Tower of Abyss
9 Riding the Winds of Eternity
10 Symphony of Enchanted Land

参加メンバー
ボーカル    Fabio Lione         (ファビオ・リオーネ)
ギター    Luca Turilli          (ルカ・トゥリッリ)
キーボード Alex Staropoli       (アレックス・スタロポリ)
ベース    Alessandro Lotta    (アレッサンドロ・ロッタ)
ドラム       Daniele Carbonera (ダニエル・カーボネラ)