AMORPHIS - SKYFORGER レビュー

今日はAMORPHIS(アモルフィス)の2009年に発売しました9thのアルバムSKYFORGER(スカイフォージャー)を紹介&レビューしていきます。

AMORPHISはフィンランドのメタルバンド。
かつてはメロディックデスメタルとして活動していましたが、徐々にその音楽性を変化させ北欧トラッド的な要素を効果的にとり入れ、神秘的でメランコリックな他のバンドにはない独特なサウンドを作り上げています。

・フィンランドの民族叙事詩カレワラをテーマにした幻想的で神秘的な雰囲気
2ndアルバムから彼らの故郷フィンランドの民俗叙事詩である、”カレワラ”をテーマにアルバムを作っており、今作も叙事詩の1編をテーマにしたコンセプトアルバムであり、幻想的で神秘的な雰囲気を感じさせます。

・儚く物悲しいボーカルとピアノ、フォーキッシュなフレーズを奏でるギター
音楽的な特徴としては、トミ・ヨーツセンによる”儚く物悲しげなボーカル”、”メランコリック”なピアノの旋律、”北欧トラッド要素の入った哀愁や郷愁的”なフレーズを奏でるギター、包み込む様に使われる”ストリングス”や”オルガン”の音が特徴的です。

・デスボイスやヘヴィなギターによるアグレッシブなパートとのコントラスト
上で述べた曲調の中に、雰囲気を変えるもしくはメタル的な盛り上がりを出す為にヘヴィなギターリフやデスボイスを使い。

どこかエキゾチックな雰囲気を出したギターやキーボードによるパートも織り交ぜ、”叙情的で儚げ”な雰囲気との”コントラスト”を出し、”劇的な展開”を演出しています。

・UNDER THE RED CLOUDとの違い
本来は過去の作品と比べる事が多いのですが、私自身は12thアルバム”UNDER THE RED CLOUD”から入ったので違いを述べるとしますと。

ハーモニックマイナー系スケールは比べて多用せず、アラビアンやエキゾチックな雰囲気を出したパートが少なく、その代わりフォーキッシュで放牧的なパートが多く感じます。

 

それでは各曲の印象や感想等を書いていきます。

アルバム SKYFORGER 曲目
1 Sampo
2 Silver Bride
3 From the Heaven of my Heart
4 Sky is Mine
5 Majestic Beast
6 My Sun
7 Highest Star
8 Sky forger
9 Course Of Fate
10 From Earth I Rose

1 Sampo
ケルト色の強い軽快なピアノの旋律から、後を追うようにギターが入るイントロから始まるオープニングナンバー。

Aメロから転調し、哀愁を強く感じさせ心地よい歌メロが展開されるサビが特に好印象です。ストリングスやギターはフレーズが効果的に雰囲気を盛り上げています。

全体的に上で述べた民族音楽的な曲調のパートと、ブリッジミュートを主軸としたリフや、デスボイスを使用した攻撃的なパートを挟み変化をつけているのが特徴的です。

イントロのフレーズはケルト系のフレーズでは良く使われる、ドリアンスケールによるものです。

2 Silver Bride
シンプルだが耳に残るギターリフがとても印象的な曲です。
物悲しさを感じる歌メロも通してとても良いのですが、イントロからサビで演奏されるギターリフがなんとも印象的です。

動きはシンプルであり、スケールも普通のマイナースケールですがとても強く印象に残ります。
短6度上に転調しデスボイスを使い雰囲気を変えたラストの盛り上がりも気に入りました。

3 From the Heaven of my Heart
ピアノの旋律からフレーズを引き継いだギターのフレーズが強い哀愁を感じさせ、歌メロからも泣きに満ちた曲。

イントロから通して、物悲しいピアノやギターの旋律がなんとも言えない切なさを出しています。

サビパートが特に素晴らしく、脱力的で哀愁に満ちた歌メロに、イントロのピアノのフレーズを引き継いだギターと包み込むようなストリングスが雰囲気を強く盛り上げています。

終盤の雰囲気をそのままに弾かれる味わいのあるギターソロもとても良いです。

4  Sky is Mine
途中テンポを落としメリハリを付けながらも、規則的なギターリフ、スネアの裏打ち、ブリッジミュートによるバッキングでスピード感を出した曲です。

バッキングで疾走感を出しつつも、メロディーはゆったりと柔らかさを感じ、Amorphisらしさが出ています。

中盤過ぎの規則的な動きで上昇して盛り上がるギターソロや、より強い疾走感と激しさを感じさせるラストのサビはストレートに格好良いと感じさせます。

イントロから通して演奏される疾走感を出しつつもどこか儚げなギターリフもとても印象的であります。

5 Majestic Beast
通してデスボイスを多用しアレンジからも不気味さを出した曲。

イントロからストリングスとディストーションサウンドのギターを前に出し、不安定で調性が曖昧な”ジプシースケール”と思われるスケールに、デスボイスでの不気味な雰囲気を出したパートが目立ちます。

サビでは雰囲気を一変して哀愁のあるクリーンボイスのパートに切り替わり、コントラストを出しているのも印象的です。

6 My Sun
ディストーションサウンドのギターが入りつつも、全体的には物悲しくメランコリックな雰囲気の曲です。

スローテンポでゆったりと進み、ピアノを効果的に使い歌メロディーも派手には動かずサビでは盛り上がりを見せるものの、通してゆったりと進行します。

7 Highest Star
クリーンのアルペジオをバックにフルートが郷愁的で味わいのあるフレーズを奏でるイントロから始まる曲。

Aメロはイントロをそのままに柔らかく優しげな歌メロでしっとりと進行しますが、サビではディストーションサウンドのギターが入り盛り上がりを見せます。

この時のクリーンのアルペジオからディストーションサウンドでのアルペジオに切り替わる所や、サビの後半はデスボイスも入れ力強く変化するのが印象的です。

終盤のギターソロはフルートのフレーズを引き継いだもので、味わい深いです。

8 Sky forger
アコースティックギターやピアノによる哀愁を感じるイントロから、ヘヴィな色合いの強い展開へと続くタイトル曲。

イントロはアコースティック楽器で演奏され哀愁を感じ、間奏ではサックスによる味わいのあるソロが展開されますが、メロディー部分はディストーションサウンドのギターが強めに前に出てたメタルな色合いが少し強い印象です。

ラストのサビからデスボイスと民謡調のクワイアが交互に繰り出されるエンディングも特徴的です。

9 Course Of Fate
通して哀愁に満ちた味わいのあるギターのフレーズが印象的な曲です。

全体を通すとギターやキーボードによるリフや歌メロも力強さのあるストレートに格好良さを感じるややアップテンポの曲で、イントロからサビの歌メロ裏のギターがなんとも言えない味わいを出している様に感じます。

中盤過ぎのワウを使ったギターソロも中々に格好良いです。

10 From Earth I Rose
勇壮さを感じさせるギターのフレーズからデスボイスのシャウトが入り力強く始まるアルバムラストの曲。

イントロではアップテンポで力強く始まりますが、ブレイクしミドルテンポの展開へと切り替わります。

全体的にそれまでに感じていた物悲しさや哀愁よりも力強く展開していく印象で、歌メロもキャッチーに感じます。

中盤過ぎからはクランチ気味のギターのバッキングから、ゆったりとしたキーボードのソロから、ギター、フルートと入り少しづつ形を変えフェイドアウト。
ラストはアコースティックギターで締めます。

参加メンバー
ボーカル   TOMI JOUTSEN     (トミ・ヨーツセン)
ギター          ESA HOLOPAINEN   (エサ・ホロパイネン)
ギター    TOMI KOIVUSAARI   (トミ・コイヴサーリ)
キーボード  SANTERI KALLIO      (サンテリ・カリオ)
ベース   NICLAS ETELAVUORI  (ニクラス・エタルボリ)
ドラム       JAN RECHBERGER   (ヤン・レックベルガー)

アルバムとしてはUNDER THE RED CLOUD(アンダー・ザ・レッド・クラウド)から気に入り、過去作品で評価の高い一枚のこのアルバムを手に取りましたが、素晴らしい出来です。

“叙情的やメランコリックな雰囲気のメタルを求めている方にはおすすめします”