AMORPHIS - UNDER THE RED CLOUD

今日はAMORPHIS(アモルフィス)の今年9月に発売しました12枚目のアルバムUNDER THE RED CLOUD(アンダー・ザ・レッド・クラウド)をレビューしていきます。

AMORPHISはフィンランドのメタルバンド、民族音楽的な要素を入れたサウンドからはフォークメタル的にも感じますが、その枠組みに入りきらない独特な哀愁を感じるサウンドからはAMORPHISという”彼らの音楽性”を感じます。

私は今までこのバンドのアルバムは購入まで至らなかったのですが、オフィシャルビデオで収録曲 “Sacrifice”を聴き、気に入り購入を決めました。

聴き込んでみると評価の高さに納得がいく作品で、“素晴らしいアルバム”だと感じました。

 

・叙情的で神秘的な雰囲気
叙情的やメランコリックな雰囲気という言葉がしっくりと来る作品だと思います。

以前IN FLAMESのCome Clarityでのレビューでもメランコリックと表現しましたが「攻撃的で悲痛な心の叫び」と称したあちらよりも、こちらはよりしっとりとし柔らかく神秘的な印象です。

曲を聴いていて北欧トラッド的な哀愁のあるフレーズを多く耳にしましたが、“ハーモニックマイナー系のスケールも多用”している様に感じます。

通常のハーモニックマイナーHMP5B(ハーモニック・マイナー・パーフェクト・フィフス・ビロウ)・フリジアンドミナント辺りかなと感じます。

それを笛系の楽器で演奏したり、ストリングスでバックで流したり、シタールを使用するパートがあり、“エキゾチックな雰囲気を出し上手く混ぜ合わせたサウンドからは神秘的な雰囲気を感じます”

使い方としてイントロやAメロBメロでそのような特徴的なスケールのパートを印象的に使って、サビでは通常のスケールでドラマチックな展開をするなどの使い方が多く上手く切り替えているなと感じられます。

・柔らかさを感じるサウンド
ボーカルであるトミ・ヨーツセンの声が素晴らしいと感じました、クリーンボイスの歌メロの部分ではしっとりとしてとても心地よく、攻撃的なデスボイスのパートもマイルドでとても聴きやすい方だと思います。

アレンジ的な意味でも、シンセストリングスの白玉での使用や、しっとりとしたピアノ、フルートにティン・ホイッスルなどの笛系の楽器の使用し非常にマイルドなギターのサウンドであり、全体を見れば攻撃的な曲やパートがありますがサウンドからは柔らかさ感じました。

 

それでは各曲の印象や感想等を書いていきます。

アルバム UNDER THE RED CLOUD 曲目

1 Under The Red Cloud
2 The Four Wise Ones
3 Bad Blood
4 The Skull
5 Death Of A King
6 Sacrifice
7 Dark Path
8 Enemy At The Gates
9 Tree Of Ages
10 White Night
11 Come The Spring   ※ボーナストラック
12 The Wind      ※ボーナストラック

1 Under The Red Cloud
しっとりとしたピアノの切ない旋律から始まる曲。
ディストーションサウンドのギターが入りますが、その後もピアノの音が節々で聞こえギターもイントロで聴かせてくれるフォーキッシュなフレーズを展開し、トミ・ヨーセンツの歌メロと共にしっとりとした雰囲気のまま進行します。

キーボードソロとギターソロは過剰なテクニックを見せず哀愁あるフレーズで曲を盛り上げてくれます。

2 The Four Wise Ones
イントロからシンセストリングスを壮大に鳴らしギターもトレモロ的にコードを鳴らし少々激しく始まる曲。
前曲と変わりデスボイスでの歌メロが多く、サビでは攻撃的だが物悲しい哀愁を感じます。

中盤過ぎたあたりではチャーチオルガンからフルートを使った民謡調のパートからエフェクターかで変化させた女性ボーカルが入りと意外な展開を聴かせてくれます。

3 Bad Blood
特徴的なフォーキッシュなフレーズのギターから始まる曲。(右の方でキーボードとフルートも?同じフレーズを奏でていますね)

Aメロではデスボイスでサビではクリーンのボイスと劇的に切り替わる曲。
ブリッジなどではワウのかかったギターとキーボード(フルートも?)で味のあるフレーズを聴かせてくれます。

4 The Skull
出だしからハーモニックマイナー系スケールを使いエキゾチックな雰囲気を出した曲。
イントロからAメロBメロとその特徴的なフレーズでのギターやストリングスのアレンジが展開されるが、サビでは切り替わるのが印象的です。

終盤ののギターソロのプレイは中々トリッキーなプレイが入っていて面白いです。

5 Death Of A King
The Skullと同じくハーモニックマイナー系スケールを使ったエキゾチックな雰囲気の曲だが、更にシタールを使いよりアラビアンな雰囲気を感じます。

この曲でもABメロはデスボイスを使いますが、サビではスケールも変わりクリーンボイスの北欧のバンドらしい叙情的な歌メロを聴かせてくれます。
ガラリと雰囲気が変わりますが、効果的な展開の曲ですね。

6 Sacrifice
ペダルトーンのフォーキッシュなゆったりとしたギターリフから始まる曲。
ボーカルは終始クリーンボイスを使いストレートでキャッチーな展開で叙情的な曲です。

ギターのサウンドはクランチ・ハイゲインと場面により変わりますが、どれもとてもマイルドで柔らかさを感じます。
ここでも過度にテクニカルなプレイをせず、特定のフレーズ回しの繰り返しやライトハンドを適度に使うギターソロは味があります。

7 Dark Path
ピアノの切ない旋律とクリーンのギターのアルペジオから始まるが、シンセストリングスとディストーションサウンドのギターにボーカルのシャウトが入り激しさを見せる曲。

激しいデスボイスのパートとピアノの音色が混じるクリーンのボイスパートが入り混じりブルータルな雰囲気とメランコリックで叙情的な雰囲気が入り混じっています。

IN FLAMESのtake this lifeでも同じようにも感じましたが、こちらはボーカルや派手にシンセストリングスを鳴らしたりするアレンジの違いもありより柔らかい印象です。

中盤過ぎの激しい展開から静かになりクリーントーンのギターとピアノで演奏される間奏はシンプルではありますが中々味があります。

8 Enemy At The Gates
再びハーモニックマイナー系スケールを用いたエキゾチックな雰囲気を感じさせる曲です。

5曲目や6曲目のように明確な切り替わりはなく全体を通して差はありますが、ハーモニックマイナー系スケール(HMP5B・フリジアンドミナント辺り)を使用したパートが多い印象です。

中盤を過ぎた辺りのキーボードソロでもそれらのスケールで演奏されアラビアンな雰囲気がありますね。
使用しているであろうスケールなどの類似からイスラエルのバンドOrphaned LandのOcean Landとも似ているなと感じました。

9 Tree Of Ages
フルートにティン・ホイッスルがフォーキッシュなフレーズを奏でるイントロから始まるフォーク色の強い曲。

ディストーションサウンドのギターとデスボイスのボーカルが入り激しい曲調に変わりますが、笛系楽器とギターによりるフォーキッシュで軽快なフレーズや勇壮なギターリードからはヴァイキングメタル的にも感じる曲です。

雰囲気を崩さずに弾くフォーク要素のあるちょっとした早弾きのギターソロは中々に味わいがあり、この感じはTYRのRamund Hin Ungeを思い出しました。

10 White Night
物悲しいクリーンのギターとストリングスから始まる曲。
透明感のある女性ボーカルの歌から始まりますがトミ・ヨーセンツのデスボイスの激しいパートも入りここでもコントラストを強く感じさせてくれます。

トミ・ヨーセンツのデスボイスで歌うパートのバッキングを聞くと、ここでもハーモニックマイナー系スケールを用いている様に感じます。

中盤過ぎた辺りでのストリングスやギターで激しく主張する”動のパート”とクリーントーンやクランチのギターでしっとりとした”静のパート”の切り替わりのコントラストも特徴的ですね。

11 Come The Spring ※ボーナストラック
ドラマチックなコード進行にギターリフから始まる疾走感のある曲。

変化的な展開はなくストレートなスピードナンバーでパワーメタル的に感じます。

アルバムの曲とは少々雰囲気が違うのでボーナストラックとして入ったのだと思いますが良い曲だと思います。

12 The Wind ※ボーナストラック
フルートの静かだが軽快なフレーズから始まるラストの曲。

アルバム通して多く感じた哀愁よりは明るさや爽やかさが感じられます。
キーボードソロやワウを効かせたギターソロも動きテクニカルな面を見せてくれます。

参加メンバー
ボーカル       TOMI JOUTSEN     (トミ・ヨーツセン)
ギター            ESA HOLOPAINEN    (エサ・ホロパイネン)
ギター     TOMI KOIVUSAARI     (トミ・コイヴサーリ)
キーボード     SANTERI KALLIO      (サンテリ・カリオ)
ベース        NICLAS ETELAVUORI    (ニクラス・エタルボリ)
ドラム         JAN RECHBERGER       (ヤン・レックベルガー)

 

初めてこのバンドのアルバムを購入したのですが、唯一的なサウンドを持った素晴らしいバンドだと感じました。
“叙情的なサウンドやメランコリックな物を求めている方には強くおすすめします”