ANGRA - REBIRTH

今日はブラジルのメタルバンドANGRA(アングラ)の2001年に発売しました4thアルバムREBIRTH(リバース)を紹介&レビューしていきます。

メインソングライター・ボーカルであるアンドレ・マトスにベーシストとドラマーの3人が抜け、バンドはキコ・ルーレイロとラファエル・ビッテンコートのギタリスト二人の状態に。

そこからオーディションなどでメンバーを集め世に送り出し、アルバム名である”Rebirth”の通り劇的な復活を遂げた傑作的アルバム。人気としてはより音楽的な完成度を高めた次アルバム”Temple of Shadows”とアンドレ・マトス時代のデビュー作品”Angels Cry”と競う作品だと思います。


・クラシック音楽+ラテン音楽の要素の入ったパワーメタル
最近の作品などは別としてこのアルバムはメロディックスピードメタル/パワーメタルの枠組みで扱われ比較的ストレートな曲調ですが、

ブラジル出身の彼ららしいラテン音楽的なテイストが適度に入っており、欧州のそれらのバンドとは一味違うサウンドを聴かせてくれます。

・音楽的な教養の高さ
この手のジャンルに良くあるパワーコードを中心としたストレートなコード進行の力押しではなく、テンションなどを効果的に用いたりとコードは中々に練られております。

プログレ的に一曲の中で転調をかなり頻繁にするのですが、展開は自然で効果的な物が多いです。

・ギタリスト キコ・ルーレイロ
キコ・ルーレイロと言えばライトハンドなどのタッピング奏法を多用する超絶テクニック系のギタリストの一人です。

このアルバムのソロではコードトーンをなぞるアルペジオ型とフレーズ感を出した2段階のパートが多いですが、

上で述べたコードも有ってかストレートなネオクラシカルな速弾きに行きすぎず、上手い所を選択しロックフュージョンよりなフレージングに感じます。

曲中ではもう一人のギタリストであるラファエル・ビッテンコートとのツインリードでのハモりも多く聞くことができます。

・特徴的なキーボードの使い方
専任のキーボーディストが居ませんが、このアルバムでの使い方は少し独特に感じます。
シンフォニックな厚みを出す物は少なく、フルートとクラリネットにストリングスの音色でのオブリガードやカウンターでの使用が多く感じます。
ピアノを多用するのも特徴的です。

 

それでは各曲の印象や感想等を書いていきます。

アルバムRebirth 曲目
1 In Excelsis
2 Nova Era
3 Millennium Sun
4 Acid Rain
5 Heroes of Sand
6 Unholy Wars: Pt. I, Imperial Crown/Pt. 2, Forgiven Return
7 Rebirth
8 Judgement Day
9 Running Alone
10 Visions Prelude
11 Bleeding Heart [*] 日本語版ボーナストラック


1 In Excelsis
次曲Nova Eraに続く荘厳な雰囲気のイントロ曲

2 Nova Era
ポルトガル語で新時代などの意味があるメロディアスで疾走感を出した人気の曲。

アルバムの中でも明快な展開のストレートな曲ですが、間奏部分では転調を繰り返しプログレ的な部分もあります。

随所でツインギターのハモりを聴く事ができ、ソロではテクニカルなライトハンド奏法でのフレーズを聴く事ができます。

3 Millennium Sun
ピアノの伴奏でしっとりとバラード調で始まりますが、拍子チェンジと転調にサウンドの変化でガラリと雰囲気が変わるミドルテンポの曲です。

曲調は少し物悲しいがストリングスの使い方などから明るい雰囲気もします。

歌メロも良いですが適度にテクニカルさを出したギターソロも中々良いです。

4 Acid Rain
シリアスな雰囲気のオペラ調のクワイアから始まる曲。
全体的にはミドルテンポでリズム的な変化が多く感じます。
ラテンミュージック的なパーカッションから入る間奏部分印象的で、イントロのクワイア、疾走感を出したギターソロパート、ツインギターでのハモりなどを聴く事ができます。

5 Heroes of Sand
クリーントーンのアルペジオから入りMillennium Sunと同じように転調し雰囲気の変わる力強く哀愁を感じるバラード調の曲。

メロディーの展開が素晴らしいのですが、歌メロが一旦終わってからのギターソロの入りなどは絶妙に感じます。

良くある手法ではありますが、ラストのサビでの全音上の調への転調はとても効果的で、そこからの歌メロと共に流れるギターフレーズはとても良いです。

個人的にはアルバムの中でも特に好きな曲の一つです。

6 Unholy Wars: Pt. I, Imperial Crown/Pt. 2, Forgiven Return

ブラジルの民族音楽的なパートからゆったりと始まるが、疾走感を出したドラムとギターリフが入り雰囲気が一変する曲。
8分と長いですが転調などの変化が多いプログレ的な曲です。

7 Rebirth
アコースティックギターによるドラマチックなコード進行のアルペジオから始まるバラード調の曲。
始まりから暫くはしっとりと展開するがディストーションサウンドのギターが入り
力強い雰囲気になります。

ギターソロパートではドラムがツーバス倍テンに変わり疾走感を出します。
編成や構成的にはこの手の曲は他のバンドにもありますが独特な雰囲気を感じます。

8 Judgement Day
リズミカルなパーカッションから入る曲。
イントロからはシリアスな展開になると感じられるが、サビのパートなどからは明るさを感じる曲。

トリルから入るライトハンド奏法を交えたギターソロは非常にテクニカルです。

9 Running Alone
聖歌的なクワイアから始まるドラマチックな展開の曲。
ピアノのソロから始まる間奏でも複数回転調し展開していくが、
Bメロからサビでの転調や”イントロのパートを全音上の調で歌詞通り”アーメン終止(変終止)”で終わる”ラストが壮大でとても印象的。

この曲も個人的にはアルバムの中でも特に好きな曲の一つで、ライブ盤ではクワイアではなくギターに変わっているのも良いです。

10 Visions Prelude
ピアノと薄く効かせたストリングスの伴奏で進行する物悲しいバラード曲。
アルバム内での曲としては珍しくラテン音楽のテイストは無く、クラシックな色合いのみの曲。
間奏はピアノソロのみと言うのも珍しいです。

11 Bleeding Heart
日本語版ボーナストラック曲
バラードですがメタルバンドのバラードと言うよりかは明るさを持ったポップなバラード。
中々心に沁みる曲で、イントロとエンディングで出てくるピアノとギターのアルペジオを主としたパートが良いです

参加メンバー
ボーカル         EDU FALASCHI             (エドゥ・ファラスキ)
ギター   KIKO LOUREIRO                    (キコ・ルーレイロ)
ギター      RAFAEL BITTENCOURT    (ラファエル・ビッテンコート)
ベース          FELIPE ANDREOIL             (フェリペ・アンドレオーリ)
ドラム         AQUILES PRIESTER        (アキレス・プリースター)

 

私自身洋楽のヘビーメタルを聞き始めた時に買ったアルバムの1枚であり、頻度は落ちましたが今現在も時折聴く気に入っているアルバムの一枚です。

完成度があり評価も高いこのジャンルにおいては名盤的なアルバムなのでおすすめします。