AT THE GATES - SLAUGHTER OF THE SOUL
今日はスウェーデンのメロディックデスメタルバンドAT THE GATES(アット・ザ・ゲイツ)の、1995年に発売しました4thアルバムSLAUGHTER OF THE SOULを紹介&レビューしていきます。

・メロディックデスメタル/デスラッシュシーンに強い影響を与えた歴史的な名盤
スラッシュメタル的なアグレッシブさと疾走感”に”哀愁や泣きを感じさせる叙情的なメロディー”を含んだギターリフやリード、悲痛な叫びを訴えるかの様な感情をむき出しのデスボイス”のボーカルによる激しくも叙情的な曲調は、メロディック・デスメタル/デスラッシュの1つの完成形(基礎)とされ、このジャンルにおける歴史的な名盤の1つとされています。

同時期もしくはこの作品よりも前に叙情的なメロディックデスメタルの先駆け的な作品はありますが、スラッシュメタル的なアグレッシブさと絶妙に融合したサウンドはオリジナリティと完成されたクオリティを感じます。

メロデス/デスラッシュだけでなく、アルバム発売後の長期ツアーによりアメリカのメタルコアシーンにも強い影響を与えた作品とされています。

・激しくも叙情的な面を見せるギター
タイトな刻みの中に程よく叙情的なフレーズ感を出したギターリフは格好良く、どれもワンパターンになり過ぎない工夫を感じます。メロディアスに行きすぎずスラッシュメタル的なアグレッシブさやブルータルで冷たさを残しているのが同時期の北欧のメロデスバンドとは少々色合いが違います。

強調もしくはコントラストを出すかのように現れるシンプルでありながら強い哀愁を感じさせるリードやソロに、どこか憂鬱な雰囲気を出すクリーントーンやアコギでのアルペジオも特徴的です。

各曲の印象や感想。

アルバム SLAUGHTER OF THE SOUL 曲目(デモ等は省いています)
1 Blinded by Fear
2 Slughter of the Soul
3 Cold
4 Under a Serpent Sun
5 Into the Dead Sky
6 Suicide Nation
7 World of Lies
8 Unto Others
9 Nausea
10 Need
11 The Flames of the End

12 Legion  ※ボーナストラック
14 Captor of Sin ※ボーナストラック
17 Bister Verklighet ※ボーナストラック

1 Blinded by Fear
哀愁や叙情性にブルータルな色合いを含み疾走感を出して進むメロデス・デスラッシュを代表するオープニングナンバー。

疾走感を出しながらも展開されるメロディアスなギターリフからは強い叙情性を感じ、中盤でのクリーンのアルペジオを導入し半音進行を使用したパートからは禍々しさを感じます。
中盤の哀愁を感じるギターソロも印象的。

全ての展開がシンプルで派手さは無く本編も2分30秒程の短いものですが、物足りなさは感じず無駄を省き凝縮された完成度の高い曲に感じます。

2 Slughter of the Soul
ヘヴィで重厚な入りから疾走感を出して突っ走るタイトルトラック。
アグレッシブな中に微かにフレーズ感を出したパートを入れるギターリフは物悲しく、シンプルですがソロからのツインのハモりは哀愁を感じ印象的です。

タイトルトラックですが前後の曲の方がインパクトがある為少々隠れがちに感じます。

3 Cold
激しくも慟哭的なボーカルから強い悲しみと泣き感じさせる曲。
攻撃的なギターリフの中に強く情感を込めたボーカルの歌唱が特徴的であり、物悲しいリードと共に歌うサビパートはとても印象的です。

場面変化し現れるどこか救いを感じさせる憂鬱なクリーンのアルペジオや、その後のトレモロ奏法から入る泣きを含んだギターソロはとても美しい。

4 Under a Serpent Sun
複雑だが整合性のある展開や勇壮さも感じさせるクールなギターリフが印象的な曲。
イントロから終始変化的な展開が続きますが曲の流れは自然であり、メインのギターリフやトレモロのフレーズがとても格好良く印象的です。

5 Into the Dead Sky
クラシックギターによる憂鬱なアルペジオから入る物悲しいインスト曲。

ディストーションサウンドのギターは入らず、クラシックギターやクリーントーンのギターによるアルペジオを主体とした物悲しく美しくも感じる展開が続く曲。

6 Suicide Nation
シャッフルのノリ良い刻みのギターリフから始まる曲。

ノリ良く疾走感を出したパートとテンポダウンし、ダウナーな雰囲気のパートを繰り返しながら進んでいくのが特徴的です。

7 World of Lies
ヘヴィなギターリフに力強く響くドラムから始まる曲。
イントロ後は力強く疾走感を出して展開していき、全体的に叙情性は薄く重厚でモダンな色合いを強く感じます。
サビでのリフワークは格好良いですね。

8 Unto Others
リズム・テンポチェンジを繰り返し緩急をつけて展開する曲。
細かい刻みを入れ疾走感を出したパートと3連のリズムを主体としたパートを切り替えていくのが特徴的です。

アグレッシブで変則的な曲調の中にアコギのパートを入れやや雰囲気を変えるパートも印象的に感じます。

9 Nausea
スラッシュメタルテイスト溢れるギターリフから疾走感を出して本編へと進む曲。

グルーブ感あるミドルテンポのパートを挟みつつスラッシーでアグレッシブな展開から、哀愁や泣きを感じさせるリードを聴かせるパートへの切り替わりは格好良い。

10 Need
アグレッシブな中に拍子・テンポチェンジを入れ変化を付けたインパクトのある曲。
実質の演奏パートは2分程ですが、アグレッシブな中に拍子・テンポチェンジをし変化を付けた曲調はインパクトがありとても格好良いです。

テンポダウンし哀愁のあるリードを聴かせるパートは印象的ですね。
ラストの30秒はシンセサウンドや語りにより不気味さを出して終了します。

11 The Flames of the End
シンセストリングスを前面に出したアルバムラストのインスト曲。

シリアスでどこか映画のBGMぽくも感じ、深く歪ませたギターの音が中盤から入りエンディングではノイズとなり、狂気的なラストで締めます。

12 Legion ※ボーナストラック
SLAUGHTER LORDというオーストラリアのバンドのカバーです。
タイトなギターリフやリズムチェンジをし変化を付けた展開は格好良く、アルバム本編の曲としても違和感がないです。


原曲よりも録音環境が良く洗練されている印象です。

14 Captor of Sin ※ボーナストラック
SLAYERのカバーです。
叫び声からアームを駆使した狂気的なギターソロが入り疾走感出して本編へと入ります。

デスボイスで歌い原曲以上に形振り構わない激しさがあり強烈です。

17 Bister Verklighet ※ボーナストラック
NO SECURITYというバンドのカバーです。
ソロパートを入れつつも、展開的には2つのパートを繰り返し続ける2分程のシンプルな曲です。

ギターのサウンドやボーカルの歌唱が違うものの原曲との違いは無い印象です。

参加メンバー
ボーカル   TOMAS LINDBERG      (トーマス・リンドバーグ)
ギター      ANDERS BJÖRLER (アンダース・ビョーラー)
ギター      MARTIN LARSSON       (マーティン・ラーソン)
ベース  JONAS BJÖRLER       (ヨナス・ビョーラー)
ドラム      ADRIAN ERLANDSSON     (エイドリアン・アーランドソン)

メロディックデスメタルにおける歴史的な名盤であり強い影響を与えた作品ですのでオススメします。