今日はフィンランドのシンフォニック・メロディックデス/エピックメタルバンドBRYMIR(ブリュミル)の、2016年に発売されました2ndアルバムSLAYER OF GODS(スレイヤー・オブ・ゴッズ)をレビュー&紹介をしていきます。
・壮大なオケやメロディアスなギターでドラマチックな展開を見せる作品
“ブラストビート多用する激しいドラム”をバックに“壮大で緊張感ある演出をするオーケストレーション”や“メロディアスなギターリフ・リード”がドラマチックな展開を見せるシンフォニック・メロディックデス/エピックメタル。
サウンド的に尖った部分はないですが、頻繁にブラストビートが使われ、疾走感がありアグレッシブな曲で占められています。
デスボイス・シンフォニック・メロディアスということもあり、その他のメロデスやヴァイキング勢とも重なる部分がありますが、アルバム全体の雰囲気は分かりやすいヒロイックさや明快さよりも“シリアスで緊張感のある雰囲気”を感じさせます。
全体を通して”メタルとしてのアグレッシブ”さや”メロディアスなギター”と”壮大で劇的な展開を演出するオケ”の兼ね合いが絶妙で、シンフォニックな色合いを出したメロデスが好きな方はかなり気に入る作品ではないかと思います。
・アルバム内で気に入った曲
全体的に好印象ですが、あえて特に気に入った曲を挙げるとしたら2曲目”For Those Who Died”・7曲目Slayer Of Gods・本編とは雰囲気が変わるボーナストラックの13曲目“Battle For Pagan Might”
各曲の印象や感想。
BRYMIR – SLAYER OF GODS 曲目
1 Intro
2 For Those Who Died
3 Risen
4 The Black Hammer
5 Nephilim
6 Prelude
7 Slayer Of Gods
8 Thus I Became Kronos
9 Stormsoul
10 The Rain
11 Pantheon Of Forsaken Gods
12 Battle For Pagan Might ※日本盤ボーナストラック
13 Hymn For The Fallen ※ 日本盤ボーナストラック
1 Intoro
パーカションやシンフォニックなオケによる緊張感のあるイントロ曲
2 For Those Who Died
激しいブラストビートをバックにIntoroからフレーズが繋がる形の疾走感溢れる曲。
シンフォニックなアレンジと共に繰り出されるどこか哀愁をまとったメロディアスなリードがとても印象的です。
3 Risen
琴の様な特徴的な音色によるイントロがどこか異国情緒ある雰囲気を作り始まる曲。
本編へ入ると前曲同様に疾走感のある曲調に変化しますが、要所でアクセントを付けて鳴らされるブラス・リードよりもリフを主体にしたギター・前曲よりも激しいドラムからはよりアグレッシブでダイナミックな雰囲気を感じさせます。
4 The Black Hammer
Intoroとも違うパーカションやオケによる緊張感ある雰囲気から入る曲。
激しいバンドサウンドとブラス・ストリングスで力強く盛り上げていくのは前曲Risenの雰囲気を引き継ぐ印象ですが、中盤過ぎから終盤へのコードを変化させていきながらの流れは劇的でとてもドラマチック。
5 Nephilim
ややエキゾチックな風味も感じるギターリフのイントロから勢いよく入る曲。
イントロ後も節々で聴かれるギターリフからもその雰囲気を感じ、この曲でも激しいブラストビートを交えながらアグレッシブに駆け抜けます。
6 Prelude
ピアノとストリングスによる美しく物悲しさを感じさせるクラシカルなインスト。
7 Slayer Of Gods
壮大なイントロから始まる8分半ほどのタイトルトラック。
激しくもオケと共に泣きや強い哀愁を演出するギターが素晴らしく、壮大なコーラスと共にドラマチックで劇的な展開へと変化するサビパートはかなり気に入りました。
8 Thus I Became Kronos
前6曲に比べると少し抑え気味ですが、ブラストビートを織り交ぜたアグレッシブさを出した展開に、勇壮さも感じさせるトレモロリフや深みのあるギターソロが印象的な曲。
ラストはフェイドアウトからクリーントーンでの味わいのあるエンディングへと続きます。
9 Stormsoul
ドラマチックで力強さを感じさせるギターリフや、盛り上げるストリングス・ブラスが劇的な展開を見せてくれる曲。
中盤過ぎでのブラストビートをバックにクリーンボイスで力強く歌い上げるパートや、そこからのメロディアスなソロパートもとても格好良い。
10 The Rain
雨音や雷鳴の音からどこか妖しさを感じさせる本編へと入る曲。
ミドルテンポでしばらく進みますが、1分を過ぎた辺りで激しいブラストが入りこの曲でも強くアグレッシブさを出していきます。
11 Pantheon Of Forsaken Gods
シンセによるダークな雰囲気の入りから、力強いギターリフが入り勢いよく突っ走る曲。
シンフォニックサウンドとメロデス的なギターリフの比率がとても絶妙に感じ、オケによる劇場的な盛り上がりとメタルとしての聴きごたえもしっかり感じさせます。
12 Battle For Pagan Might
フォーキーで哀愁を感じさせるメロディが前面に出てヒロイックな雰囲気を強く感じさせる疾走曲。
シンフォニックなサウンドと共にフォーキなリードが勇ましい戦士達の姿を思い起こさせる曲調からは同郷の”Ensiferum”を思わせます。
個人的にはかなり好きなタイプの曲です。
13 Hymn For The Fallen
郷愁的な笛の音から入るアルバムラストの曲。
ゆったりとした雰囲気で進みますが、50秒ほどのところからはオケが壮大な雰囲気を作るパートへと変わり徐々に盛り上がっていき、ラストは静かにフェイドアウトしていきます
参加メンバー
ボーカル VIKTOR STORM GULLICHSEN
ギター・ボーカル JOONA BJÖRKROTH
ギター SEAN HASLAM
ベース JARKKO NIEMI
ドラム PATRIK FÄLT
個人的に気になる部分としては、”似た調子の曲が多い”のとどこか整い過ぎてるようにも感じますが、この辺は聞き手により印象が変わると思います。
日本デビュー盤のセカンドアルバムですが素晴らしい出来であり、アグレッシブでシンフォニック・メロディアスなメタルが好きな方にはおすすめのアルバムです。
以上”BRYMIR – SLAYER OF GODS 【アルバムレビュー】” でした。