FLESHGOD APOCALYPSE - KING
今日はイタリアのシンフォニック・デスメタルバンド“FLESHGOD APOCALYPSE”(フレッシュゴッド・アポカリプス)の、2016年に発売しました4thアルバムKING(キング)を紹介&レビューしていきます。

 

・派手なオケ使ったテクニカル/シンフォニックデスメタル
“金管と弦楽をド派手に使った仰々しいオケ”や”コーラス”によるシンフォニックなサウンドと、”ブラストビートを多用した凄まじい速さで叩かれるドラム”等によるテクニカルなバンドサウンドが特徴的なテクニカル/シンフォニック・デスメタル。

ボーカルは複数人が担当しておりデスボイスとハイトーンのクリーンボイスを使い分け、クリーンボイスは基本サビで使い、アレンジ的にもデスボイスを基本としたパートからの対比で劇的な展開を演出しています。

専任のメンバーもいるピアノをかなり効果的に使っているのも特徴的です。

・角がなく聴きやすくバランスの良いアレンジ
上の文章だけですとかなり尖った音楽性に感じますが、オケは派手ながら耳に刺さる様な感覚はなくドラムもかなり激しく叩いているものの音量や音圧は抑えめで、聴きやすくバランスを取っている部分が見られます。

ギターもソロでは”メロディアスでドラマチック”なフレーズを聴かせてくれますが、歌メロパートでは激しい刻みやトレモロをしつつもフレーズ感を出さず、厚みやダイナミクスを出す役割を担っており、オケ+バンドサウンド全体で曲を聴かせている印象があります。

・アルバム内で気に入った曲
先行公開された時から印象深かった4曲目”The Fool”・疾走感を出し派手に展開していく8曲目”And the Vulture Beholds”・徐々にテンションを上げていく10曲目 “A Million Deaths”辺りが特に良いと感じました

 

各曲の印象や感想。
アルバム KING 曲目
1 March Royale
2 In Aeternum
3 Healing Through War
4 The Fool
5 Cold As Perfection
6 Mitra
7 Paramour
8 And the Vulture Beholds
9 Gravity
10 A Million Deaths
11 Syphillis
12 King

1 March Royale
パーカッションやストリングスのオケを中心とした映画音楽ぽい壮大なイントロ曲

2 In Aeternum
March Royaleから繋がる形で入る実質のオープニングナンバー。
凄まじい速さで叩かれるドラムをバックに派手なオケやコーラスが仰々しい雰囲気を作り入る曲。
激しくも劇的な展開を見せるメロパートも良いですが、一旦テンポダウンして弾かれるメロディアスでクラシカルなギターソロからラストまでの流れが印象的です。

3 Healing Through War
前曲からテンポを落としやや落ち着いて不気味さを出した曲。

変わらずド派手なオケが仰々しい雰囲気を作っていますが前後2曲と比べるとテンポダウンし、緊張感があり不気味な雰囲気を感じます。

4 The Fool
ハープシコード(チェンバロ)からオケによるクラシカルで劇的なイントロから入る曲。

イントロからインパクトがありますが、激しいAパートからクリーンの伸びやかな歌唱によるドラマチックなサビへの展開や、雰囲気をそのままに弾かれるギターソロからイントロのパートへと戻る展開は素晴らしい。

先行公開されていた曲ですが、アルバムの中でも印象的な曲です

5 Cold As Perfection
ミドル・スローでじっくりと進む曲。

前半は重厚で不気味な雰囲気を感じさせますが、中盤過ぎのクリーンボイスの語りからソプラノ女性歌手による歌唱パートへの流れはどこか悲壮さも感じさせます。

6 Mitra
緊張感のあるオケにブラストを使用した激しいドラムやギターリフによる狂気・狂乱といった感じの雰囲気を出し進行していく曲。
ギターソロもメロディアスでドラマチックなものではなく狂気的です。

7 Paramour (Die Leidenschaft Bringt Leiden)
ピアノによる物悲しい旋律から女性ソプラノ歌手による歌が続く曲。

しっとりとしたバラードではなく、熱を込め悲劇を訴える様なオペラチックな歌ものであり、バンドサウンドが全く入らない曲。

8 And the Vulture Beholds
一際派手にオケやコーラス鳴らし疾走感を強く出して突き進む曲。

クリーンボイスで歌うハイトーンのサビパートも力強く劇的で全体的にテンションが高いですが、やや落ち着き弾かれる叙情的なギターソロも印象的です。

9 Gravity
ドラムはツーバスで激しく叩きながらも全体的にはスローで重厚な曲。

物悲しくもドラマチックな展開を聴かせるギターやピアノが入るサビパートやソロが印象的です。

10 A Million Deaths
パーカッションによるダイナミックな入りから劇的でスピード感のある展開をしていく曲。

目まぐるしく場面変化していき、徐々にテンション上げ激しくもドラマチックで劇的な展開へと向かっていく流れは凄まじく、聴き入ってしまいます。

11 Syphilis
ソプラノ女性歌手の歌唱パートを随所で入れたスローな曲。

木琴らしき音色を使った不穏な雰囲気の入りから女性歌手による語りへと続き、スローで重厚な展開へと続きます。

オケを派手に使わず重厚な雰囲気のAパートから、ストリングスやコーラスを前に出し女性ボーカルがオペラチックな歌唱を見せるサビへの流れが特徴的であり、中盤過ぎでの味わいのあるギターソロも印象的です。

12 King
物悲しく悲壮感のあるピアノの旋律によるアルバムラストのインスト

この手のものにしては4分とやや長めのものであり、一つの曲としてちゃんと作られています。

参加メンバー
ボーカル・ギター TOMMASO RICCARDI  (トマソ・リカルディ)
ボーカル・ギター CRISTIANO TRIONFERA (クリスティアノ・トリオンフェラ)
クリーンボーカル・ベース PAOLO ROSSI (パオロ・ロッシ)
ピアノ・オーケストラアレンジ  FRANCESCO FERRINI (フランチェスコ・フェリーニ)
ドラム・ギター  FRANCESCO PAOLI  (フランチェスコ・パオリ)

全体のバランスを取っているが故か、少々まとまり過ぎている印象もありますが、クオリティは高くシンフォニックなデス系が好きな方にはおすすめです