MEGADETH - DYSTOPIA レビュー・感想

アメリカのスラッシュメタルバンドMEGADETH(メガデス)の2016年1月22日に発売されました、15thアルバムDYSTOPIA(ディストピア)をレビュー&紹介をしていきます。

ANGRA(アングラ)のギタリスト“キコ・ルーレイロ“が加入し、LAMB OF GOD(ラム・オブ・ゴッド)のドラマー“クリス・アドラー”ゲスト参加の新体制で作られた注目の新譜です。

・”キャッチーな歌メロ”に”キレのあるギターリフ”や”メロディアスなソロ”が惹きつける”ヘヴィでダーク”な作品
通して展開としてはアップテンポでストレートな印象ですが、POPな雰囲気は無く、アルバム名”DYSTOPIA”(暗黒卿)の通り”緊迫感がありダークでシリアス”な雰囲気を感じます。

ギターリフはどれもヘヴィでキレがあり、ツインのハモりも織り交ぜたエキゾチック/オリエンタルな風味のメロディアスなギターのソロやリードはかなり耳を惹きます。

叙情的な雰囲気も織り交ぜたソロからは”キコ・ルーレイロ”が良い仕事をしているのが分かりますが、”デイヴ・ムスティン”のギターリフやリードのプレイもキレのある印象です。

歌メロもキャッチーで格好良いものが多く、個人的には通して好印象です

方向性としては近年の作品に近い様で、初期の雰囲気も少し感じ、モダンな作風も含み、過去の作品のどれとも微妙に違うアルバムといった印象です。

 

・異なる色合いを見せてくれるキコ・ルーレイロとの共作曲
全体を聴くと”キコ・ルーレイロ”との共作である6〜8曲目は少々雰囲気が変わり、アレンジ的にも”アコギやクラシックギター”を使い”湿っぽさや叙情的”な雰囲気を含んだパートが見られます。

シンフォニックなシンセサウンドを導入し、どこか悲劇的なドラマ性を感じさせる7曲目”Poisonous Shadows“キコ・ルーレイロ”のクラシックギターのソロから入るメロディアスだが暗さのあるインストの8曲目”Conquer Or Die”は特色が強く感じます。

個人的にはこれらの曲に場違いな感じは無く、キコ・ルーレイロとの共作はどれも馴染んだ良い作品に感じます

 

・アルバム内で気に入っている曲
何度か通して聴きましたが、日本盤では1,2,3,4,6,7,9,10曲目と、アルバムの大半が魅力的な曲に感じました。

日本盤には入っていない“Last Dying Wish”や“Look Who’s Talking”も良い曲です。
購入後ITunesを見て曲の存在に気付き買いましたが、この曲も日本盤に入れて欲しかったと感じました。

※”Last Dying Wish”や”Look Who’s Talking”は調べてみたところ、輸入版にも入ってない為、確認できるのは“ITunes及び”DELUX EDITION”だけの様です。円盤として所持ししたい方は日本盤限定のMe Hate Meが入りませんが、個人的にはDELUX EDITIONをお勧めします。

 

各曲の印象や感想。
アルバム DYSTOPIA 曲目(日本盤)
1 The Threat Is Real
2 Dystopia
3 Fatal Illusion
4 Death From Within
5 Bullet To The Brain
6 Post American World
7 Poisonous Shadows
8 Conquer Or Die
9 Lying In State
10 The Emperor
11 Foreign Policy
12 Me Hate You ※日本盤ボーナストラック
日本盤未収録曲
Look Who’s Talking

1 The Threat Is
ハーモニックマイナー系スケール(HMP5B等)でエキゾチックな雰囲気を出したフレーズが随所で聴かれるアップテンポのオープニングナンバー。

リズムにアクセントをつけ跳ねるようなニュアンスのヘヴィなギターリフとデイヴ・ムスティンのシニカルな歌唱で重厚に展開していきます。

イントロから随所で見せるエキゾチックなギターのフレーズがまた雰囲気を盛り上げています。

通して良いですが、雰囲気を引き継ぎ1分近く展開されるテクニカルなソロは格好良い。

2 Dystopia
キャッチーな展開から名曲Hangar 18を思い起こさせる変化を見せるタイトルトラック。

ミドル・ファストテンポでイントロから中盤まではキャッチーなギターリフと歌メロによる明快な展開で進みます。
曲名を歌うサビ部分で入るメロディアスなギターソロは耳を惹きつけますね。

2度目のソロが過ぎると雰囲気をガラリと変え、メカニカルでスリリングな展開へ。
流れる様なツインギターのハモりで締めるラストがとても格好良い。

前半のキャッチーなパートも良いですが、変化をつけた後半も素晴らしく、通して格好良い曲です。

3 Fatal Illusion
変則的なリズムと変化から初期の作風にも通じる曲。

半音進行を使った不気味なギターリフからベースソロが入り、引き継ぐ形のギターリフから本編へと繋がります。
メロパートでは小気味良いリズムのドラムとブルースペンタを上下する軽快リフで展開し、メロディアスでミステリアスなツインのハモりも印象的です。

中盤を過ぎるとテンポアップしスピーディな展開へと変化し楽しませてくれます。

4 Death From Within
加工したギターとドラムによる緊迫感のある入りからヘヴィで軽快な刻みのギターリフが展開するミドルテンポ曲。

Aメロ部分はアレンジからも1曲目”The Threat Is Real”に少々似た雰囲気です。
サビパートでのやや爽やかさを出しキャッチーな歌メロが格好良い。

二本のギターが異なる音程で別々の規則的なソロを演奏する間奏は面白い。

5  Bullet To The Brain
ノリの良い展開と妖しく重厚な雰囲気を含んだミドルテンポの曲。
ソロや所々で聴かれるギターのフレーズからは所々で妖しさを感じさせます。

ツインのハモりを含み、ラストに少しクラシカルな旋律を入れたギターソロは印象的で強く惹きつけられます。

6 Post American World
シンプルに刻まれるギターリフとシニカルな歌唱で進むミドル・スローの曲。

狂気的な雰囲気を出したツインのハモりから入る中盤のソロはインパクトがあり、所々で湿っぽいアコギやクリーンのアルペジオが入るのも印象的です。
より重厚ですが、どことなく”Symphony of Destruction”と重なる部分があります。

この曲から8曲目”Conquer Or Die”まではキコ・ルーレイロとデイヴ・ムスティンの共作の様です。

7 Poisonous Shadows
モダンなメタルサウンドにシンフォニックなシンセサウンドを導入したダークで重厚な雰囲気の曲。
暗いアコギにアルペジオから入り、シンフォニックなシンセサウンドや歌唱からはどこか悲劇的な雰囲気を感じさせ、ドラマチックに展開していきます。

最後のメロパート裏で弾かれるロックな色合いのソロは泣きと哀愁に満ち、より雰囲気を盛り上げとても良い。

ラストは語りと物悲しいピアノの旋律で締め、通して重厚なドラマ性を感じます。
少し”Symphony X”等に通じる雰囲気があり、こういうアレンジの曲が入ることは予想外でしたが、アルバム内でも印象に残る曲の1つです。

8Conquer Or Die
クラシックギターによる叙情的で湿っぽいパートから入るインスト曲。
1分を過ぎたところでバンドサウンドが入り切り替わるものの、雰囲気はそのままメロディアスだが暗いソロで進みます。

前半のクラシックギターによるパートはキコ・ルーレイロが参加していることを改めて認識します。

9 Lying In State
前曲から雰囲気を変えて3連のゴリゴリとした力強い刻みで勢いよく展開していくアップテンポの曲。
ヘヴィですがノリの良い刻みのギターリフが通して弾かれ、歌メロも爽快で勢いがあります。

異なる色合いで2度弾かれる規則的なギターソロは格好良い。

10 The Emperor
テクニカルに弾かれるギターソロが格好良く、爽快でドライブ感のあるアルバムラストの曲。

リズムは変わりリフもよりメガデスらしいものですが、前曲の爽快さを引き継ぐ形の明るめな曲でノリ良く展開していきます。
中盤でのソロの掛け合いがとても格好良い。

11 Foreign Policy
アメリカのパンクバンドFEAR(フィアー)のカバー。

原曲よりもアップテンポで、ギターソロを少し入れたメタルな色合いを強くしたカバーです。

12 Me Hate You
ギターリフからは80年代メタルな色合いを強く感じる曲です。
“The Emperor”は除いてアルバム本編とは色合いの違う爽快で熱い展開の曲で、イントロから展開されるギターリフは格好良い。

Look Who’s Talking
ITunsストアーで確認したところ、日本盤には収録していないのですが、ダウンロード数が多い為購入してみました。

メロディアスなギターと共に展開するキャッチーなサビパートや、リズムチェンジしながらのソロの掛け合いが印象的です。
少し不気味で狂気的な雰囲気も出した格好良い曲です。

これは国内盤にも入れて欲しかったですね。

参加メンバー
ギター・ボーカル DAVE MUSTAINE (デイヴ・ムスティン)
ギター KIKO LOUREIRO       (キコ・ルーレイロ)
ベース  DAVID ELLEFSON (デヴィッド・エレフソン)
ドラム  CHRIS ADLER   (クリス・アドラー)

シングルカットの”Fatal Illusion”や先行公開された”The Threat Is Real”と”Dystopia”が好印象だったので購入してみましたが、期待に答えるとても良いアルバムでした。

今回の作品を気になっている方や先行公開された曲が気に入った方には強くオススメします。

個人的は上の方で書いた理由から円盤ではDELUX EDITIONです。