MEGADETH - PEACE SELLS...BUT WHOS BUYING?

今日はアメリカのスラッシュメタルバンドMEGADETH(メガデス)の1986年に発売されました、2ndアルバムPEACE SELLS… BUT WHO’S BUYING?(ピース・セルズ…バット・フーズ・バイイング?)をレビュー&紹介をしていきます。

PEACE SELLS… BUT WHO’S BUYING?はスラッシュメタルとしての音楽性に独自性を見せた最初期の傑作です。

・インテレクチュアル・スラッシュメタル

次々と繰り出される”切れ味鋭いギターリフ”“スリリングなギターソロ”
“不安感を煽る様に使われる半音での変化”“場面変化し続け先の読めないプログレッシブな展開”は狂気と知的な複雑さが調和し、
政治的な歌詞だけでなく、その独特の音楽性から表現されるインテレクチュアル・スラッシュ(知的なスラッシュメタル)そのものに感じます。

マーティ・フリードマン加入後の”RUST IN PEACE”は素晴らしい作品ですが、アルバム通しての鬼気迫る様な狂気や、曲構成の複雑さではこちらの方が上だと感じます。

 

・複雑に展開するテクニカルなギターリフ

ザクザクとした刻みを中心とし、リズムやフレーズにアクセントを付けたテクニカルなギターリフを聴かせてくれます。それらのリフは曲の複雑さを効果的に演出し、どれも最高に格好良いと感じるものばかりです。

 

・畳み掛ける様に現れるスリリングなギターソロ

複雑なギターリフと共に現れる”デイヴ・ムスティン”と”クリス・ポーランド”によるチョーキングやハーモニクスを多用したテクニカルなギターソロは、曲全体の狂気的な雰囲気をより盛り上げています。

“マーティ・フリードマン”と”デイヴ・ムスティン”のソロの掛け合いとは違う格好よさがあります。

 
各曲の印象や感想。
アルバム PEACE SELLS …BUT WHO’S BUYING? 曲目
1 Wake Up Dead
2 The Conjuring
3 Peace sells
4 Devils Island
5 Good Mourning/Black Friday
6 Bad Omen
7 I Ain’t Superstitious
8 My Last Words

1 Wake Up Dead
次々に場面変化していき、鋭いギターリフとスリリングなギターソロが繰り出される複雑な展開のオープニングナンバー。

ブリッジミュートによる刻みを中心とした鋭いギターリフや畳み掛ける様なギターソロ、
ギターに隠れず前に出る太く存在感のあるベース、より楽曲に複雑さを加えるタイトなプレイをするドラム。
各楽器群の演奏で大半が占められたインストの様な展開です。

25秒のソロから畳み掛ける様な展開も凄まじいですが、2分40秒程でテンポダウンし雰囲気をガラリと変えてエンディングまで進むラスト1分の流れもとても印象的。

2  The Conjuring
半音で変化していく不気味なアルペジオのフレーズから始まる狂気的な雰囲気の曲。

イントロが終わると雰囲気を残しつつもザクザクと刻むギターリフやテクニカルなソロが入り、前曲の勢いをそのままにスリリングに展開していきます。

スネアの頭打ちを多用し、ドシドシと響く力強いドラムがとても心地よい。

3 Peace sells
跳ねるニュアンスの特徴的なベースのフレーズから始まり、中盤でガラリと雰囲気を変えるのが印象的なタイトルナンバーにして初期の代表曲。

前半はシンプルに刻むギターとデイヴ・ムスティンによる皮肉交じりでどこか捻くれた歌唱で進み、中盤になるとテンポアップ。
イントロのベースのフレーズをなぞる爽快なギターリフと共にキャッチーなパートへと変化します。

特別速いわけでも無くアルバムの中でもシンプルな構成ですがとても印象に残る曲です。

4 Devils Island
名前からも感じる不気味な雰囲気で始まり、軽快に進行していく曲。

半音で変化していくギターリフのパターンを多用し、不気味さを出しているのが感じられます。
不気味さを出しながらも軽快で、比較的キャッチーに展開していくのも印象的で、2分20秒辺りからの鋭いギターリフからのソロがとても格好良い。

5 Good Mourning/Black Friday
物悲しく叙情的なイントロから一転し、強い疾走感を出し複雑に変化する2部構成の曲。

アコギのアルペジオから始まり、速弾きを交えたどことなくフラメンコ調のドラマチックなイントロから入る前半も素晴らしく、
一気に雰囲気を変え疾走感を出して勢いよく進む後半の展開もとても格好良い。

特に4分程からの更にスピード上げ畳み掛けていく展開が凄まじく圧巻です。

6 Bad Omen
怪しく不気味な雰囲気を出したイントロから複雑に展開し、徐々にスピードアップしていくのが印象的な曲。

不安感を煽るアルペジオから、不気味な笑い声のような演出するギターの奏法が入ったりと怪しさのある特徴的な入りから、中盤を過ぎると歌メロが入り徐々にスピードアップ。

複雑なフレージングのリフにパラレル進行や、増4度での不安定で浮遊感を感じさせる中盤の展開から、ブレイクして一気にトップギアまで上げて疾走していく終盤への展開が凄まじい。

7 I Ain’t Superstitious
ウィリー・ディクスンのカバー。

元はブルースの曲ですが、ギターはソロを弾きまくり激しくアレンジしている為、明るくノリの良いロックロールなナンバーに。持ち味を出した面白いカバーです。

8 My Last Words
物悲しくもどこか不安定なイントロから爽快な疾走感を出した展開へと変化するアルバムラストの曲。

イントロを過ぎるとアルペジオ型の爽快なギターリフとスネアの裏打ちでシンプルに疾走感を出したキャッチーな展開へと変化し、終盤のギターソロも規則的で比較的分かりやすくメロディアスなソロを弾くストレートに格好良い曲です。

下降系の動きを繰り返し続けるベースラインもかなり印象に残ります。

参加メンバー
ボーカル・ギター DAVE MUSTAINE (デイヴ・ムスティン)
ギター   CHRIS POLAND (クリス・ポーランド)
ベース  DAVID ELLEFSON (デヴィッド・エレフソン)
ドラム  GAR SAMUELSON (ガル・サミュエル)

鬼気迫る様な狂気と複雑な曲の展開が入り混じるスラッシュメタルとしてのメガデスの最高傑作に挙がる作品です。

スラッシュメタルに興味がある方や、その後の作品でメガデスを知りまだ聴いたことのない方には強くオススメします。