MOONSORROW - KIVENKANTAJA
今日はフィンランドのフォーク/ヴァイキングメタルバンドMOONSORROW(ムーンソロウ)の、2003年に発売されました3rdアルバムKIVENKANTAJAをレビュー&紹介をしていきます。

・幻想的で奥深い世界観を感じさせるフォーク/ヴァイキングメタル
リバーブ(残響)を強く利かせたりストリングス・キーボード/シンセ音色を覆うように使い幻想的な雰囲気を作り出すサウンド。

そしてその上に乗る”重厚なバンドサウンド”や”荒々しいデスボイス”に”雄々しいクワイア”

“アコーディオン”・”アコースティックギター”を始めとする哀愁を感じさせるアコースティック楽器

時には派手に動かし勇ましくも盛り上げたり、ファンタジックな雰囲気を作り出す”ストリングス・ブラス・キーボード/シンセ音色”

それらが作り出す“勇壮なヴァイキングメタルパート”“哀愁を含んだ叙情的なフォークパート”が、幻想的で奥深い世界観を感じさせるフォーク/ヴァイキングメタル

曲はどれもミドルテンポやスローであり、派手に疾走感を出したものやテクニカルなプレイも特に無いのですが、“曲の展開”“一つ一つの音の重なりにより作り出される世界観”は凄まじく濃密であり、7分〜10分の長尺な曲で占められたアルバムでありながらダレる所は一切無く、気づけばその世界観に入り込んでしまう強い魅力を感じます。

 

アコースティック楽器だけでなくキーボード/シンセサウンドも多用する所はどこか後続の”EQUILIBRIUM”等に似たニュアンスを感じますが、そこまで洗練されたサウンドではなく、土着的哀愁を強く感じさせます

フォーキッシュなパートは分かりやすいケルト的なものだけでなく、同郷の”Finntroll”にも似た東欧の色合いが感じられる部分もあります。

・アルバム内で気に入った曲
出来の良いキラーチューンを何度もリピートして聴く様なタイプではなく、アルバムを通してじっくりと聴きその世界観に浸る様な印象の作品であり、曲数も少ないこともあり特別「この曲」とは決められませんでした。

疾走感や分かりやすい派手さをもった曲を求めるとこの作品は退屈なものと感じてしまうかもしれませんが、圧倒的な完成度の高さを持った名盤です



各曲の印象や感想。
MOONSORROW – KIVENKANTAJA  曲目

1 Raunioilla
2 Unohduksen lapsi
3 Jumalten kaupunki including Tuhatvuotinen perintö
4 Kivenkantaja
5 Tuulen tytär including Soturin tie
6 Matkan lopussa

 

1 Raunioilla
幻想的な入りからヘヴィなリフ・力強く響くドラム・パッド音色による荘厳なパートへと進む13分を超えるオープニングナンバー。

通してリバーブ(残響)を強く効かせており、重厚なバンドサウンドの上に乗る民謡調の歌メロにクワイアやストリングス・キーボードによるアレンジからはなんとも叙情的で幻想的な雰囲気を感じさせます。

情感を出したデスボイスによる叫びや、中盤で弾かれる泣きのギターソロも短いながら印象的です。

終盤ではアコースティックギターをバックにシンセリードによるメロディが流れ、音が重なっていき次曲へと繋がります。

2 Unohduksen lapsi
Raunioillaより繋がる形で鐘の音にヘヴィなギターリフからデスボイスのスクリームで入る曲。

この曲でも広がりのあるサウンドが幻想的な雰囲気を作り民謡調のメロディが土着的な雰囲気を感じさせますが、ギターリフはノリ良く、ブラス/シンセ音色によるアレンジからは勇ましさを感じさせます。

3  Jumalten kaupunki including Tuhatvuotinen perintö
前曲よりもストレートに勇壮でヒロイックな雰囲気を感じさせる11分程の曲

静かに広がりのあるオケの入りから徐々に盛り上がりを見せ、語りから勇ましく力強いギターリフを展開していくパートへと続きます。

前曲以上にダイナミクスのある”シンフォニックなアレンジ”や”フォーキッシュなメロディ”に”雄々しいクワイア”がよりストレートにヒロイックで勇壮な雰囲気を演出し盛り上がりを感じさせます。

後続のバンドではありますがブラス音色の盛り上げ方は”Turisas”の様。

個人的には4分10秒にアクセントとして入るアコギが絶妙に感じます。

4 Kivenkantaja
どこか軽快なアコギのパートから始まるタイトルナンバー。
歌メロは荒々しいデスボイスを中心とし、バンドサウンドもヘヴィであり中々に激しさを感じさせます。

イントロ後のメロディパートはどこか儀式的な雰囲気を感じられますが、シンフォニックなサウンドの中に現れるアコーディオンや笛系楽器によるフレーズからは、同郷の”Finntroll”に似たポルカ的なメロディがあり印象的です。

5 Tuulen tytär including Soturin tie
民族楽器によるフォーキッシュなパートがファンタジックな世界観を感じさせるインスト的な曲。

風が吹きすさむSEをバックにピアノと木琴らしき音色がファンタジックな世界観見せるイントロから入り、その後は弦楽器・パーカッション・笛系楽器・ハープ・ドロンプが軽快でノリ良い放牧的なパートを展開していきます。

3分手前になるとバンドサウンドやシンフォニックなアレンジが入り、それまでに提示したモチーフを反復しながら徐々に変化させていき、力強い盛り上がりを見せていきます。

6 Matkan lopussa
寒々しく物悲しさを感じさせるアルバムラストの曲。

覆う様にかかる寒々しいシンセサウンド、アコーディオンによる哀愁を含んだメロディ、女性ボーカルによる物悲しい歌メロからの厳かなクワイア。

バンドサウンドは入らずアルバム内では5分ほどのコンパクトな曲ですが、とても重厚な雰囲気を感じさせる曲です。

 

参加メンバー
ボーカル・ギター  HENRI SORVALI
ギター  MITJA HARVILAHTI
キーボード LORD EURÉN
ベース  VILLE SEPONPOIKA SORVALI
ドラム   MARKO TARVONEN

 

ヴァイキングメタルの名盤とされており、曲の完成度の高さからジャンルを問わない名作とさえ呼ばれるアルバムであり、おすすめです。

 

以上 “MOONSORROW – KIVENKANTAJA”のレビューと感想でした。