PANTERA - VULGAR DISPLAY OF POWER
今日はPANTERA(パンテラ)の1992年に発売しました6thアルバムVULGAR DISPLAY OF POWER(邦題:俗悪)を紹介&レビューをしていきます。

PANTERAはアメリカのメタルバンド。初期の音楽性はパワーメタル”力強さを出したブリティッシュメタル的”なサウンドでしたが、
徐々にその音楽性を変え“グルーヴ感を重視した曲”“特徴的なギターサウンド”はその後のメタル・ロック界に大きな影響を与え、メタルの歴史を語る上ではパンテラは一つの境目と捉えられます。

今日書いていくのはそんなPANTERA(パンテラ)の最高傑作と名高いVULGAR DISPLAY OF POWER(邦題:俗悪)です。

・グルーヴ・メタル
ミドルテンポを主とし、特定のタイミングにリズムのアクセントを置いたボーカルやギターの刻みに、
特徴的なギターサウンドでのスライドなどを入れたギターリフからはそれまでのメタル界の “素早く細かく刻むリフでの疾走感の追求” や “ギターや歌メロの旋律的な部分を追求” した物とは違う、リズム的なノリを重視した”グルーヴ・メタル”という新しい方向性を示しました。

これはそれまでのメタルファン以外からも広く支持され、その後のラウドなメタル及びロック界は彼らの音楽性を取り入れたバンドで溢れかえる事になりました。

・ギタリスト ダイムバッグ・ダレル
独創的なフレージングにリズムを持ったヘヴィなギターリフは特徴的ですが、
10代後半の若き頃よりコンテスト荒しとして知られたテクニックも相当なレベルで、速弾きに特徴的なアームとスライドを入れた、トリッキーなギターソロのプレイは必聴です。

・ボーカリスト  フィル・アンセルモ
前作「カウボーイ・フロム・ヘル」からは少々歌い方が変わり、芯のある太い声でのシャウトの多用に、リズミカルにアクセントをつけた歌唱法は特徴的で、このバンドのヘヴィさとノリをより強くしているように感じます。

・メタル界に影響を与えたギターサウンド
ギタリストであるダイムバッグ・ダレルの大きな功績として、その後のモダンメタルサウンドのお手本となったギターサウンドがあります。

当時の多くのギタリストはメサブギーやマーシャルのチューブアンプを使い切れ味を追求したドンシャリ型のサウンドが主流でしたが、

ダレルは真空管が当たり前の時代にあえて音の温かみは無いが音の立ち上がりの早いソリッドステートアンプを使い、
イコライザーで中音域をブーストさせるという同時代の誰とも違うアプローチでそれらとは違う独自のサウンドを作り上げました。

そのサウンドは“キレのあるサウンドでありながら濃密な中音域を持った分厚くゴムの様に強い弾力を感じる独特なサウンド”でその後の後続のバンドの多くは彼らの音を真似しました。

それでは各曲の印象や感想等を書いていきます。(私の所持しているのは20周年記念版です)

アルバム VULGAR DISPLAY OF POWER 曲目

1 Mouth For War
2 A New Level
3 Walk
4 Fucking Hostile
5 This Love
6 Rise
7 No Good (Attack The Radical)
8 Live In A Hole
9 Regular People (Conceit)
10 By Demons Be Driven
11 Hollow
12 Piss  ※日本語版ボーナストラック

1 Mouth For War
イントロの特徴的なギターサウンドから繰り出される表と裏のタイミングに交互にスライドを効かせたリフからは独特なノリを感じ、一度聞くと暫く頭から離れません。
終盤テンポアップするのも印象的です。

2 A New Level
ヘビーなギターリフとリズミカルなギターリフに、リズミカルにアクセントを入れたボーカルが特徴的な曲。
ワウを効かせたギターソロは格好良いです。

3 Walk
スローテンポで三連の跳ねるリズムの軽快なギターリフがとても印象的な曲。
ボーカルの歌い方からも地面をゆっくりと踏みしめながら進む感覚になります。
ギターソロは特徴的なスライドを多用し独特のフレージングをしており面白さを感じます。

4 Fucking Hostile
フィル・アンセルモのカウントダウンから勢い良く突っ走るスラッシュメタル的でありパンク的でもあるアグレッシブな曲。
ギターのサウンドやリフからはヘビーにも感じるが展開はとてもストレートで爽快感溢れテンションの上がる彼らの代表曲の1つ。

5 This Love
クリーントーンのギターのアルペジオから始まるスローでダークな曲。
バラード的に進行するが、サビではディストーションサウンドのギターが入りボーカルは激しくシャウトする”静と動のコントラスト”を感じる曲。

6 Rise
スラッシュメタル的な強烈なリフから始まる曲。
イントロでは疾走感溢れるリフを展開しているが、全体を通すと緩急を付けリズムを重視したパートの多いグルーブ感の強い曲。
アームを使用した早弾きのギターソロはテクニカル。

7 No Good (Attack The Radical)
チョーキングとスライドを使用したリフとパワーコードでリズムにアクセント付けた刻みのリフが展開される曲。
Aメロのフィル・アンセルモのリズミカルに呟く様なパートは特徴的で中々に格好良い。

8 Live In A Hole
ミドルテンポのリズムフレーズ共にギターがとても個性的な曲。
全体的に面白いフレーズが多いですがギターソロも独創的です。

9 Regular People (Conceit)
16分音符の細かいリズムでアクセントを付けた跳ねる様なリズミカルなリフが展開される曲。
リフも格好良いですがこの曲でもギターソロは独創的で中々に格好良いです。

10 By Demons Be Driven
イントロから特徴的なチョーキングを使った変則的なリフで始まる曲。
イントロのリフが印象的ですが、全体的にスライドとチョーキングを効かせた特徴的なリフを聴くことができます。

11 Hollow
泣きの入るギターフレーズから始まる曲。
前半はメロディアスでエモーショナルなバラードですが、
後半はディストーションサウンドのギターリフが入り少し攻撃的な展開になります。
前半の部分は個人的なかなりツボなのでそのままでも良いとも思いますが、そのまま終わらず展開するのも彼ららしいです。

12 Piss 
日本語版ボーナストラック曲。
同アルバムの曲と同じくヘビーで特徴的なリズムのノリを感じる曲ですが、
ストレートなロックなギターフレーズが入りそれも中々良いです。

参加メンバー
ボーカル     PHIL ANSELMO     (フィル・アンセルモ)
ギター             DIMEBAG DARRELL  (ダイムバッグ・ダレル)
ベース        REX BRWN        (レックス・ブラウン)
ドラム            VINNIE POUL         (ヴィニー・ポール)

私がこのバンドの存在を初めて知ったのは、昔放送していたテレビ番組「Rock Fujiyama」にてケリー・キングがゲストで来た回の「ケリー・キングが衝撃を受けたリフbest5」のコーナーで”Fucking Hostile”を弾いたのを聴いた時でした。

聴いた当時の私自身は “ギターや歌メロの旋律的な追求をした” メタルが特に好きだったので、ギターは格好良いと思いましたがアルバムを購入して聴くには至りませんでしたが、

今月初めにCDショップで20周年記念版を見かけ興味から購入し聴いてみたところ、すっかりハマり今月一番聴いてるアルバムの1枚となりました。

“歴史的な名盤”でかなり格好良いアルバムだと思いますので、メロディーを重視するメタルが好きな方でも余裕があれば聴いてみることをオススメします。