Rhapsody - Dawn Of Victory 【アルバムレビュー】

今日はイタリアのパワーメタル/シンフォニックメタルバンドRhapsody(ラプソディ)の、2000年に発売されました3rdアルバムDawn Of Victory(ドーン・オブ・ヴィクトリー)をレビュー&紹介をしていきます。
※現在は名前を変えRhapsody of Fire(ラプソディ・オブ・ファイア)となっております。

Dawn Of Victoryは1stアルバム”Legendary Tales”から続く、エメラルド・ソード・サーガシリーズの第3弾。これも全体を通して完成度の高い捨て曲無しのアルバムです。

・シンフォニックな色合いを残しつつ、前作よりもメタル色を強く出した3rdアルバム

音楽性は形式としてはメロディーを重視したパワーメタルに、ストリングス・ブラス・クワイアにフルートなどの木管楽器などを使い、“壮大なオーケストレーションでシンフォニックな厚み”を出し、

“映画音楽”“バロック時代のクラッシック”音楽的な要素と“ヨーロッパのフォークロア的”な要素が混じった“ファンタジックな世界感”を出した作風です。

今作は前作に比べ、全体的に“ギターが前に出てメタルの色合いが強く”、より力強く熱い曲が多い印象です。

 

・力強く伸びのあるボーカル

1stから定評がありますが、ボーカル “ファビオ・リオーネ”は今作も、”ハイトーンにおいて線が細くならず力強く伸びがある歌唱”と、バラードにおいても素晴らしい感情表現を聴かせてくれます。

 

・クラシカルでありフォーキッシュなギターとキーボード

オブリガードからソロまでギターとキーボードは、“クラシカル”であり同時に”ヨーロッパのフォークロア的”な要素が絶妙に混ざりあったメロディアスなフレーズを聴かせてくれます。

プレイ的にはギタリストである”ルカ・トゥリッリ”は”3弦を上下するスウィープ奏法”がとても多く感じます。

 
各曲の印象や感想。
アルバム Dawn Of Victory  曲目
1 Lux Triumphans
2 Dawn Of Victory
3 Triumph For My Magic Steel
4 The Village Of Dwarves
5 Dargor, Shadowland Of The Black Mountain
6 The Bloody Rage Of The Titans
7 Holy Thunderforce
8 Trolls In The Dark
9 The Last Winged Unicorn
10 The Mighty Ride Of The Firelord

 

1 Lux Triumphans
語りから壮大なクワイア・ブラス・ストリングスが壮大に盛り上げ幕開けを告げるオープニング曲

2 Dawn Of Victory
勇壮でドラマチックなタイトルトラック。
ブリッジミュートでフレーズ感を出したギターリフ、盛り上げるブラスのフレーズ、そしてストリングスが奏でる優雅なイントロからアップテンポで突き進みます。

歌メロは一本調子にならず変化があり、抑揚をつけ展開される壮大で伸びやかなサビパートへの流れは秀逸です。

間奏では”スウィープ奏法”や”トリル”を織り交ぜた”フォーキッシュ”であり”クラシカル”なソロが展開されます。
ラストの壮大なサビはとても熱く、聴いていて燃え尽きてしまいそうになります。

個人的にはライブでは”Emerald Sword”よりも好きな曲です。

3 Triumph For My Magic Steel
バイオリンとギターがクラシカルなフレーズを奏で、哀愁のあるアップテンポの曲。

イントロからメロディー裏にブリッジに間奏にと、バイオリンやギターによるクラシカルなフレーズを展開するところが多く、中盤でのバイオリンによるソロが素晴らしい。

4分過ぎからの哀愁のあるギターソロもなんとも言えない味があります。
それらの演奏だけでなく、壮大ですがどこか哀愁のある歌メロの展開もとても格好良く、全体的に見ても素晴らしい曲です。

4 The Village Of Dwarves
民謡的な要素の強いミドルテンポの曲。
イントロから自然の環境音にハープ・パンフルートを使った展開から、キーボードのバグパイプ音色(アコーディオンかもしれません)でのフォーキッシュなフレーズで始まる民謡調の強い曲です。

ゆったりと伸びやかなAメロからサビでの力強い合唱の展開が印象的です。

5 Dargor, Shadowland Of The Black Mountain
ブリッジミュートを主体としたメタル色の強いギターリフから力強く展開する曲。

この曲もメロディーの流れは良く、Aメロから変化をつけたBメロ、そしてストリングスの駆け上がり後に展開する伸びやかなサビの展開は素晴らしい。

間奏では、笛系楽器のフレーズからギターによる”3連スウィープ”を主軸としたフォーキッシュでありクラシカルな速弾きのソロとキーボードソロが展開されます。

6 The Bloody Rage Of The Titans
ピアノ・ハープ・笛系楽器でのスローでしっとりした始まりから場面変化し力強く展開する曲。

1分40秒辺りからは3拍子に変化し”ケルティックなフレーズ”と共にディストーションギターが入りスローだが力強い展開をし、サビではどこか幻想的でオペラチックな盛り上がりを見せてくれます。
この時のストリングス等による下降型の動きは特徴的です。

激しさは無いのですが、クラシカルで規則的なギターソロからヴァイオリンが混じる展開がとても良い。

7 Holy Thunderforce
ストレートで力強く熱い展開が人気の曲。
開放弦をペダルとしたストレートなギターリフからストリングスが混じり、力強いドラムのプレイに壮大なクワイアで盛り上げ始まり、ストレートな展開を見せてくれます。

強拍にのみ楽器群がアクセントを付け、ドッシリとしたAメロからの疾走感を出した壮大なサビの展開が熱い。

初期のベスト盤である”Tales From The Emerald Sword Saga”にもこの曲が入ってますが微妙にアレンジが違い、こちらのアルバム収録の方が個人的には好きです。

8 Trolls In The Dark
次曲The Last Winged Unicornへと繋がるインスト曲。

虫の鳴き声から少女の声とフルートによる民謡調のフレーズが流れ、後を追うように同型のフレーズのギターが入り激しく変化します。次曲が人気の曲であり、繋がるこの曲は飛ばさないで聴くことをおすすめします。

9 The Last Winged Unicorn
ハープシコード(チェンバロ)のアルペジオから、バイオリンとギターのクラシカルなフレーズで始まるドラマチックな人気の曲。

伸びやかなサビへと繋がるメロディーの展開もとても良いが、メロ裏のバイオリンのフレーズやサビで盛り上げるブラスが素晴らしい。

中盤過ぎのギターソロはストリングスやコーラスをバックに三段展開し、メロディアスでドラマチックな流れを聴かせてくれます。

10 The Mighty Ride Of The Firelord
アルバムラストの恒例の9分の大作曲。

ピアノとフルートによるしっとりとした展開から雰囲気が一転し、緊張感のあるクラシックパート、歌メロパートへと変化していきます。
彼らの特徴であるバロック時代のクラシックやトラッドフォークにオペラそして力強くメタルが混じり複雑に展開する曲。

9分と長い曲ですが歌メロから楽器のフレーズの一つ一つのどれを聴いても文句を付ける所が見当たらない素晴らしい大作曲です。

参加メンバー
ボーカル    FABIO LIONE           (ファビオ・リオーネ)
ギター    LUCA TURILLI         (ルカ・トゥリッリ)
キーボード ALEX STAROPOLI       (アレックス・スタロポリ)
ベース    ALESSANDRO LOTTA   (アレッサンドロ・ロッタ)
ドラム       ALEX HOLZWARTH   (アレックス・ホルツヴァルド)

初期作品の5枚に関しては違いはあれど、どれか一枚を気に入れば、どれもほぼ捨て曲は無いと感じられる位出来が良くこの”Dawn Of Victory”も素晴らしいアルバムです。

メロディアスやシンフォニックなメタルが好きな方におすすめします。