SLAYER - SEASONS IN ABYSS

今日はアメリカのスラッシュメタルバンドSLAYER(スレイヤー)の1990年に発売されました5thアルバムSEASONS IN THE ABYSS(シーズンズ・イン・ジ・アビス)をレビュー&紹介をしていきます。

・疾走感ある曲からヘヴィでグルーヴ感あるミドル・スローの曲まで充実した5thアルバム
名盤と知られる3rdアルバム”Reign In Blood”は疾走感を強く出し過激でエッジの効いた作風でしたが、このアルバムでは4thアルバム”South of Heaven”で見せたダークで重厚なサウンドも織り交ぜ、長所でもあり短所でもあった鋭さが程よく調整されアグレッシブな疾走曲からヘヴィでグルーヴ感あるミドル・スローの曲まで緩急をつけてバランス良く聴かせる高品質な作品になりました。

・アグレッシブさを残しつつ聴きやすくなったギターソロ
全体的にアームやハーモニクスを使った派手なソロを演奏していますが、Reign In Bloodの時の様にフレーズ感を崩した狂気的なソロではなく、メロディアスでフレーズ感を残した聴きやすくストレートに格好良いと感じられるものがとても多い印象です。

・惹きつけるドラムのプレイ
個人的にギターに重点を置いて曲を聴く事が多いのですが、このアルバムはドラムがとても目立ち聴いていて惹きつけられる所が多く感じます。
ミドル・スローでのドシドシと響くバスドラムはとても心地が良く、派手なフィルインはとても格好良い

各曲の印象や感想。
アルバム SEASONS IN ABYSS 曲目
1 War Ensemble
2 Blood Red
3 Spirit in Black
4 Expendable Youth
5 Dead Skin Mask
6 Hallowed Point
7 Skeletons of Society
8 Temptation
9 Born of Fire
10 Seasons in the Abyss

1 War Ensemble
凄まじい速さの刻みのギターリフから疾走感を出し突き進む人気のオープニングナンバー。

イントロのリフからインパクトがありますが、Aメロのブリッジミュートを主体とした1小節づつ変化していくギターリフや、足音の様なSEが入り力強く行進していくかのようなサビパートが特に格好良い。

アームを使い揺らしまくりなギターソロもSlayerといった感じの曲です。

2 Blood Red
増4度で重ねた不協和音のギターリフから始まるミドルテンポの曲。
イントロ後は跳ねる様なニュアンスのシンプルな刻みのリフをバックに、比較的キャッチーで聴きやすい展開で進みます。
シンプルですがドコドコ響くドラムの音が心地よい。

3  Spirit in Black
ミドル・ファストの程よくスピーディーでヘヴィな展開から後半一気に疾走感を出す曲。

前半はハイハットを派手に鳴らすドラムにシンプルな刻みのギターリフと抑揚の無い歌唱で程よくスピーディーでグルーヴ感のある展開で進み、後半になると一気にテンポアップします。

後半のブレイクしてからの凄まじい速さでの刻むギターリフや、勢いをそのままに畳み掛けるようにアームを駆使した狂気的なソロの掛け合いとハモりはとても格好良い。

4 Expendable Youth
ミドル・スローのグルーヴ感を重視した曲。

ドシドシと力強く響くドラムにやや跳ねるニュアンスの刻みを中心としたギターリフの重厚な展開で進み、一定の心地よいノリを感じさせてくれます。
終盤での少し派手になるドラムのフィルが良い。

5 Dead Skin Mask
アルペジオ型の不気味なギターリフから力強く響くドラムが入り、ヘヴィで不気味さを出しながら展開していく曲。

通して重厚なドラムのフィルインがとても心地よく、中盤でのテクニカルなギターソロの掛け合いもとても格好良い。
雰囲気をそのままに進み終盤で入る加工した子供の様な声が入る演出は寒気がしました。この演出は効果的ですが結構怖い。

6 Hallowed Point
イントロから高速の刻みで疾走感を強く出し進む曲。

入りからラスト1分までは凄まじいギターの刻みや、畳換けるように入るギターソロで疾走感を出した展開が続きます。
終盤ではテンポダウンしますが、この時のドラムのプレイが格好良い。

7 Skeletons of Society
4曲目”Expendable Youth”に少々似たミドル・スローのグルーヴ感を重視した曲。

形は違いますが跳ねるニュアンスのギターの刻みと力強い響くドラムで重厚に進んで行く感じで、4曲目Expendable Youthと似た印象です。ラストのより力強く響くドラムの音がとても心地よい。

8 Temptation
中央と左側で掛け合う歌メロや音の定位を動かすソロが特徴的なミドル・ファストの曲。

全体的にはシンプルな刻みとやや派手なドラムのフィルが目立つ曲ですが、Aメロでのボーカルやソロでの音の定位を使ったユニークな演出や定位が動くソロが面白いです。

9 Born of Fire
前曲以上に派手なドラムが特徴的な疾走感溢れる曲。

細かい刻みの激しいギターリフやアームで揺らしまくるギターソロも格好良いですが、派手にハイハットを鳴らして手数の多いフィルインを入れてくるドラムは耳を惹きつけます。

10 Seasons in the Abyss
重苦しいイントロから始まるダークなタイトルトラック。
スローで重苦しい展開が1分半程続くとテンポアップしヘヴィなギターリフが入り場面変化。
ダウナーな歌唱によるサビパートが特徴的で、イントロやエンディングで入る不穏なギターのアルペジオも効果的に雰囲気を作っています。

文章にするととっつきずらく感じるかもしれませんが、全体を通すとキャッチーで繰り返し聴いてしまう中毒性があるように感じます。

4分からのアームやライトハンド奏法を使ったギターソロはとても格好良い。

参加メンバー
ボーカル&ベース     TOM ARAYA            (トム・アラヤ)
ギター                 KERRY KING           (ケリー・キング)
ギター                   JEF HANNEMAN       (ジェフ・ハンネマン)
ドラム                   DRAVE LOMBARDO  (デイヴ・ロンバード)

それまでのSLAYERらしさを残しつつ調整され聴きやすくなった印象のアルバムです。
過激な3rdアルバムで敬遠していた方や、SLAYERの過去作品で良いものはないか探している方にはオススメの1枚です。