ギター ケーラーブリッジ

今日はトレモロアーム(ビブラートユニット・トレモロユニット)のケーラー(Kahler) について書いていきたいと思います

ケーラーとはフロイドローズがロック系のギタリストが使用するトレモロアームの主導権を握っていた中、80年代初め頃に現れた機能性を重視したユニットで、一時期は多数のアーティストが使用して盛り上がりましたが。

その後クセの強さや欠点などから表舞台からは姿を消したトレモロアームです。

現在も使っている有名人となると思いつくところではスレイヤーのケリー・キング位でしょうか。(同じくスレイヤーのギタリストで亡くなられたジェフ・ハンネマンも使い続けていました)

一時期は生産が中止され入手困難でしたが2000年代には生産を再開。
現在でも入手可能ですがフロイドローズと比べるとあまり知られていない珍しいユニットであります。
最近では多弦用の物を積極的に開発し生産しているイメージで、公式サイトを覗くと”10弦用”という何処に需要があるのだろうか?と思わせるような物も生産しているようです。

ギターと違いベースのユニットとしては認知度もそこそこあり使用されているらしいです。

 

簡単な歴史や紹介を書いていきましたが、自分が使用して実感したケーラーのフロイドローズと比べた時の利点や欠点や特徴を書きますと。(フラットマウントタイプの中信楽器時代のJackson stars セミオーダー品)

ケーラーの利点は

・ギター自体にザクリをあまり入れる必要がない

・弦交換がとても楽である

・各弦の弦高を細かく調整可能

・オクターブ調整などが楽(こちらに慣れるとフロイドローズはとてつもなく面倒)

・アーミングタッチが柔らかい

・チョーキングやアーミングの際の音程の変化も滑らか

と中々魅力的な所があるのですが、これに対しての欠点が致命的でして…

 

ケーラーの欠点は

・使用している人が少なく細い調整方法など覚えるまでは調べるのが少し面倒

・流通が少ないので変えのパーツが手に入りづらい

・音が金属的でペラい感じになり味が無くなり独特の音になる(フロイドローズ自体も指摘されるがその比ではない位特徴的)

・音のアタック感が弱くなる

・メタルの特徴でもあるブリッジミュートのザクザクとした刻みのニュアンスが出しにくい

・サスティーンの減衰が早い

・ハイフレットでのチョーキングやアームダウンの際のサスティーンの減衰が特に早い

・弦のテンションが弱め、尚且つスプリングの追加ができず、テンションの強さの調整に限界がある(これによりクリケットなどがやり辛い)

と、上二つはどうにかなるのですがその後はかなり致命的な問題があります;

音の変化については、弦を乗せるベアリング上の部分が弦振動を殆ど吸収していて、ボディーまでに伝わらない様でこれが強く影響を及ぼしている模様。
ブリッジミュートの際にザクザクしたニュアンスが出ないのもこのベアリングの部分が大体の原因。

※一時期メガデスのデイヴ・ムスティンや在籍中にマーティ・フリードマンも使用していたアームの付いていないノントレモロタイプもありますが、そちらは少々試用感が異なるようです。

上で述べたように欠点が多くクセが強いため、知識がなくフロイドローズとケーラーで迷っている方が居ましたら私はフロイドローズの方を迷わず進めます。

ただ、自分の好きなギタリストが使用していてその音を承知している場合であれば良いと思います。(実際操作感やクセのある音を好んで使用している方も少なからず居るので)

またそれなりの値段出してケーラーのギターが欲しいのなら、乗せ変えでは無く、初めから搭載されている物を買うことを勧めます。

以前ケーラーからフロイドローズへの載せ替えについてリペアマンの方に話を振った時、少し渋い顔をして 「大きくザクリを入れる事もあるが、ケーラー用に特別に角度の調整をして設計されているので初めから乗せているそれなりの値段の物で乗せ変えるのは勿体ない」との意見がありましたので。

 

と、ここまでは利点や欠点特徴等の話でした。

 

ここからは私自身色々調べて知った興味深い話について書いていきたいと思います。(確証が無い物を含んでいます)

 

木材を生かした味のある音を出したいという部分では、やはりケーラーではどうしようもない様なのですが、実は材質に種類がありそれぞれ音のニュアンスやサスティーンの伸びに違いがあるらしいのです。

実際Kahlerの公式サイトに行き確認すると、サドル(Saddle)とカム(Cam)に幾つかの種類の組み合わせがあります。
ケーラー 公式サイト画像

それぞれ Steel/Steel  Aluminum/Brass  Brass/Steel  Brass/Brass とあり

この数種類ある中でとりわけ好評なのがSteelの物らしく、音はより金属的でトレブリーなのだがサスティーンの減衰も少なく良いとの話があります。

このsteelが、サドル(Saddle)とカム(Cam)の何方を指しているかは詳しくは調べが付いていないのですが。

ケリー・キングのシグネチャーモデルやジェフ・ハンネマンのシグネチャーモデルのギターがこの話の引き合いに出されており、それを考えるとケリーキングシグネチャーモデルである2315KK Brass Cam With Steel Saddles Kerry King Editionのタイプがこれに該当し
Kerry King Edition 画像

“Brass Cam” “Steel Saddles”の組み合わせがそれと思われます。
(ESPのジェフ・ハイネマンモデルに乗っているのも同じ2315の型番で同じ組み合わせの模様)

 

好評なスチール(steel)タイプの物に比べてアルミタイプ(Aluminum)とブラス(Brass)タイプはサスティーンの減衰が顕著で音に関しても評判が良くないと噂の様で、日本で出回っている物はアルミとブラスタイプの方が多いとの話です。(私が使用している物もどのタイプかはまだ分かっていません)

 

肝心の”Brass Cam Steel Saddles”のタイプを手にいれる方法ですが。

私の知る限り日本で2315の型番のケーラーを販売しているショップはネットでもオークションでも見当たらず、売っていても殆どは型番7000番台の物のようです。

7000番台に関しては細かい素材の説明が書いて有るページは見当たらず、スチールタイプかどうかの判断ができません。

確実にスチールタイプの物を手に入れるとしたらショップを介して海外から取り寄せるか直接輸入して買う

もしくは日本でも一定数出回っている、ケーラーのケリーキングのシグネチャーモデルであるKerry King Editionを買うしかない模様。こちらは現在35000円から40000円程で購入可能

 

ケリー・キングモデルのギターは、EMG PA2を内蔵し、ジェフ・ハンネマンモデルのギターもブースターをギターに内蔵しているので、音やサスティーンなどの違いの話に関しては一概に部品の材質のみの違いとも思えませんが、個人的にも興味深い話だったので今回まとめて書きました。

 

今日はケーラー(Kahler) トレモロアームについての使用実感や素材の違いによる話でした。