POD HD 音作り記録 Children Of Bodom アレキシ・ライホその2 の記事を投稿しました
今日はChildren Of Bodom(チルドレン・オブ・ボドム)のアレキシ・ライホ(Alexi Laiho)の音をPOD HD500上で再現するにあたっての流れや現時点での設定の記録を書いていきます。
音を再現するにあたってどの時期にするか考えましたが 、今回は初めなのでとりあえず初期の正確には2ndアルバムの音を再現する事にしました。
・当時の使用アンプ
まず最初に当時のアレキシ・ライホの機材を調べました。
様々な名前が出てきましたが初期の頃のセッティングはプリアンプとパワーアンプに”Lee jackson GP-1000″を使い音を作っていたようです。
Lee jackson GP-1000に関しては情報があまりありませんがアレキシが使用していたという事で結構人気があるようで、youtubeで動画を探すと見事にチルボドのフレーズを弾いてテストしている人が多かったです。
次にキャビネットですが録音の時使用しているかは定かではないですが出回っている映像や画像からマーシャルである事が分かりました。
・当時の使用ギター
次にギターですが現在はESPとエンドース契約しておりESPのギターを使用していますが初期の頃はJACKSON USAのランディーVを使用していました。
現在のESPのギターもそうですが当時使用していたJACKSONの2本のギターも”JE-1000″か”JE-1000G”というブースターがついておりこれを常にONの状態にし”Lee jackson “で作った音を強くブーストさせて特徴ある音を作っていた様です。
ギター歴の長い方は理解している方が多いと思いますがこの辺は結構重要なポイントで、
同じ音を作りたい場合はギターの木材からピックアップにトレモロユニット、内蔵のブースター等なるべく同じスペックのギターを使用するのが好ましいです。
知る限り当時のアレキシ・ライホの使用していたギターは
JACSON USA ランディV
ボディー木材 不明
指板 エボニー
ピックアップ J-50BC
内蔵ブースター JE-1000 or JE-1000G
トレモロユニット フロイドローズ
それに対して私のギターは
JACKSON STARARS ケリー
ボディー アッシュ
指板 エボニー
ピックアップ EMG JH-SET
内蔵ブースター 無し
トレモロユニット ケーラー
とかなり差がありますが、今回はこのスペックのギターとPOD HD 500でできるだけ再現していきました。
初めに機材関係の話が長くなりましたが本題に移ります
まずアンプですが”Lee jackson”の物は無いのでデフォルトの状態を聞き比べて選ぶことに。
基本的にハイゲイン系のアンプはどれもデフォルトの状態ではどれも”似ている所はあるが全体では似ていない”とハッキリしない感じがしましたので一つに絞り調整していく事に。
“Tread plate”(MESA BOOGIE Dual Rectifierモデル)と”Angel F-Ball”(ENGL Fireball 100モデル)でかなり迷いましたが最終的に”Angel F-Ball”に決めました。
“ANGEL F-Ball”のデフォルトのキャビネット”4×12 XXL V-30″は低音が強くモコモコしていますがキャビネットを変更しマイクを変えたところニュアンス的には近づく感覚がしたのでこれにすることに。
キャビネットに関しては本人がよく使用しているのがマーシャルということで”Brit T-75″を試してみましたが作りたいサウンドからは離れるため却下、
最終的にMEGADETHの音作りでも使用した“4×12 Hiway”に落ち着きました。
そこから何時もの方法でアンプの後ろにDISTペダルを後ろに配置(今回もSCREAMER)し調整。
しかしシングルアンプではどう調整しても物足りない部分が出でて上手くいかないのでトップの画像の通り今回はデュアルキャビネットで仕上げることに。
では最終的に出来た音の設定を書いていきます
・設定の紹介
※今回はChildren of Bodom 2ndアルバム収録バージョンを中心にHatebreeder/Downfall/Towards Dead End/を聴きながら調整しました。
アンプAとB共に”Angel F-Ball”にしキャビネットとマイクは
Aは“4×12 Hiway”に“57 On Axis”
Bは“4×12 XXL V-30”に“409 Dynamic”
アンプの設定はAとB共に共通で DRIVE45 BASS85 MID80 TREBLE90 PRES20
イコライザーに関して色々と調整していましたが”PRES”を下げ目にし他を一律して高めに設定するのが最も近いニュアンスになる感じがありました、
特にモコモコ感の無い乾いた音にするために”TREBLE”をMAX近くまで上げました。
AMP PARAMETERSに関しては今回も調整しましたが最終的にはデフォルトの50状態に落ち着きました。
次にCAB PARAMETERSの設定です
CAB PARAMETERSの設定もアンプAとBは共通で”THUMP”と”DECAY”を少々上げ目にし今回は60まで。
THUMP は低音に対して影響のあるツマミでアンプのイコライザーのBASSとも違う効果を与えてくれ、上げると低音が強調されます。
DECAY に関してはTHUMPとは違う効果がありますが上げると音が太く下げると細い音になります。
狙いとしては前回のMEGADETHと同じく低音のニュアンスの調整です。
次はエフェクターの設定です
・アンプ後ろにある”Screamer”
前回と違いBASS50 TONE50 TREBLE40 DRIVE10 OUTPUT100と歪みを少し足す感じに設定し少しTREBLEを少し削る形にしています。
・アンプ前にある”Nois Gate”
今回は結構ノイズが強いのでDECAY35 THRESHを35に設定。
そしてノイズゲート前のイコライザー3つですが本当は5つ使い調整したかったのですが”DSP LIMIT”を超えたため今回は3つで細かく設定しています。
・Nois Gate前の”Parametoric EQ”
以前の記事では“4×12 Hiway”の問題点である“中高音域である800辺りをカット”するために設置していましたが、
今回はデュアルキャビネットという事で必ずしもカットしなければならないとは感じず気になった少々下の方の周波数帯をカットする調整をしています、更に低音をカットするために”LOWS”の調整もします。
設定は LOWS 40%
周波数帯指定のFREQを42%
影響範囲の広さを指定する Qを40
ブーストやカットの数値を指定するGAINを40に設定
・真ん中の”Parametoric EQ”
こちらは高音域をブーストさせるために設定しています
設定は LOWSとHIGHSはデフォルトの50%
周波数帯指定のFREQを100%(大体4500Hz)
影響範囲の広さを指定する Qを50
ブーストやカットの数値を指定するGAINを62に設定
・一番前の”Studio EQ”
設定はLO FREQ 240Hz LO GAIN -2.0dB
HI FREQ 5000Hz HI GAIN -6.0dB
と中低音域のカットと高音域のカットをしています。
本当はもう少し上の周波数帯をカットしたいのですが”Studio EQ”での設定では5000の上は8000と高すぎ”Parametoric EQ”では4500が限界のため5000をカットする事に。
高音域をブーストする”Parametoric EQ”とカットしている”Studio EQ”の位置ですが本来であれば、
カットする方を後ろに置きますが今回はStudio EQで本当はカットしたくない高音域の領域までカットしているのでそれを補填する事も考えてParametoric EQを後ろに置いております。
この辺はDAW上の自由に数字を指定して細かく調整できるEQに慣れていると不便に感じるところですね。
欲を言えばまだ特定の高音域が出過ぎているのでを更に調整したいのですが中々上手くいかず難しい様です。
以上今回作った設定でした。
シュミレータなので完全に原曲の音を再現することは不可能ですが今後も出来るだけ近づけるように試行錯誤して音作りをしていきたいと思います。